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巫家捏麺館 |
「巫家捏麺館」は台湾中部彰化県渓湖鎮に、台湾で唯一「捏麺」をテーマにした地方文化館として2005年に開館しました。。ここは、「巫」さん一家が経営しています。赤レンガで造られた伝統的な建物。ここでは捏麺作品の展示販売の他、親子手作り捏麺教室も開いています。
台湾では昔、にぎやかなお祭りには必ず、子供たちに囲まれた「捏麺」の屋台がありました。「捏麺」というのは、小麦粉をこねて、色鮮やかで今にも動き出しそうな孫悟空やドナルド・ダックなどを作り、竹串の先に刺してあるものです。元々、どこの家でも作れる民俗工芸で庶民文化でした。しかし、生活が豊かになるにつれて、次第に消失していきました。
巫さん一家は元々お菓子屋さんでした。捏麺を始めた経緯を、巫家二代目のお嫁さんである梁秀蓁さんに聞いてみましょう。
(梁秀蓁さんのお話)
「私の舅と姑は、お菓子を作っていましたが、縁があって中国大陸から来た捏麺の師匠に出会い、技術を学びました。そして、伝統的な廟のお祭りで捏麺を作る仕事があったため、捏麺作りになりました。私の夫は捏麺館の館長をしています。彼も捏麺が出来ましたが、最初は航空会社で働いていました。ある時、日本でレストランを開く人がいて、日本に行って捏麺の実演をしてほしいと頼まれました。夫は会社を休んで日本で一ヶ月間捏麺を実演しました。そのとき、自分は捏麺がとても好きで、航空会社で働くよりも楽しいと気づき、会社を辞めて、捏麺の仕事に専念することにしたんです。」
捏麺の起源は正確にはわかりませんが、民間にはこんな伝説があります。三国時代に諸葛孔明が兵を率いて南征した後、都へ凱旋する時に川がありました。そのとき、突然大風が吹き、波が高くなって渡れなくなってしまいました。諸葛孔明は料理人に命じて、米の粉で皮を作らせ、中に黒牛と白馬の肉を包み、49個の人の頭を作らせました。祭壇を設けて作った頭を供え、酒をまいて川を奉ると、なぜか無事に川を渡ることができたのです。この故事のため、後の人は諸葛孔明を捏麺の祖師として崇めています。
台湾の捏麺芸術は中国大陸の北方から伝わりました。
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巫家捏麺館 |
(梁秀蓁さんのお話)
「捏麺の歴史起源は、私たちも文献で調べました。伝統的な捏麺は食べられたんです。元々は中国大陸の北方から始まったもので、北方は小麦の産地ですから小麦粉を使っていました。後に江南地方へ伝わって、江南特産の江米が加えられました。江米というのは、私たちが今食べているもち米のことです。伝統的な捏麺の材料は小麦粉ともち米の粉で、火を通した後、食べられる色素を加えていました。」
元々の捏麺は伝統的な子供の遊びの一種で、身近な材料を使った、食べられる造型遊びでした。現在では「看て」「遊ぶ」だけのものになり、食べられなくなっています。それは作品を長く保存しても、色が褪せたり変形したりしないように、着色料や石灰を加えるようになったためです。そして、子供の遊びから誰でも遊べる創作材料に変化しました。
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巫家捏麺館 |
(梁秀蓁さんのお話)
「捏麺の魅力は色がとても鮮やかなところです。陶芸など手で捏ねて作るものはたくさんありますが、捏麺は直接材料の中に色を入れるため、捏ねるだけで鮮やかな色の作品となり、生命力が現われ、みなを引き付けるのです。体験すればとても楽しいですし、達成感もあります。私たちは受注生産する他、普及教育活動も重視しています。たくさんの子供たちに教えてきました。材料を提供し、指導すれば子供たちはすぐに色んな形を作れるようになります。印象深かったことがあります。91歳で初めて捏麺に触れたというおじいさんは体験教室に参加した後、とても喜んで、私たちのところまで来て感謝したんです。これまで自分がこんなものを作れるとは思わなかったってね。」
館長の巫俊徳さんは人物や、神様、民間伝説、農村風景などを題材にして捏麺を創作するのが好きです。その熟達した技術と革新的な作風で高い評価を得ています。巫家捏麺館は、台湾を代表して何度も海外へ招かれ、日本、欧州、中南米、ロシアなどで実演しました。海外には捏麺芸術がないため、実演期間中はいつもあふれるほどの観衆で賑わいました。
しかし、伝統技術を守り、広めていく道は、平坦ではありません。
(梁秀蓁さんのお話)
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巫家捏麺館 |
「私自身、この伝統的な商売がとても好きです。多くの方が私たちの巫家捏麺館と、館長の技術をほめてくれます。また、数多くの人たちが私たちに注文してくれます。新しい仕事は挑戦ですが、そういったプレッシャーは成長を促してくれます。でも、経営面ではまだ課題があります。私たちの仕事は注文を受けて作品を作る他、教育活動がありますが、現在はほとんど学校へ教えに行っています。私たちとしては、仕事場は巫家捏麺館に集中させたいので、今後は皆がここへ来てくれるようにと期待しています。」
「巫家捏麺館」の住所は彰化県渓湖鎮東寮里彰水路四段439巷151号です。開館時間は午前8時から午後5時まで。年中無休で入館料は無料です。
刀剣と捏麺はどちらも根気強い手仕事から生まれる伝統工芸です。あなたも是非、台湾の地方文化館を訪れて台湾の職人芸に触れてみてください。
(担当:上野重樹)
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