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長流美術館 |
「長流美術館」は2003年、台湾北部の桃園県に設立されました。同館は、個人の作った美術館として桃園県内で最もレベルが高いとされています。同館の設立者である黄承志・館長は、台湾の美術運動に多大な功績を残した日本画家、黄鴎波・画伯の長男で、目利きの書画鑑定家として知られています。
(黄承志・館長のお話)
父は台湾のベテラン日本画家でした。若いときには日本に留学し、台湾の美術運動に大いに貢献しました。国立台湾芸術大学の教授も務めました。たくさんの画家を育てたんです。父の影響で、私も小さいときから絵を描くのが好きでしたが、画家にはなりませんでした。でもやはり、絵画に関わっていきたと思い、1973年に「長流画廊」という画廊を開いて、多くの画家やコレクターと友達になりました。その後、もっと多くの人たちに絵を楽しんでもらえるよう美術館を作りたいと考えるようになり、ある時、偶然の導きにより、ここ桃園に、理想的な場所を見つけたんです。美術館、それはまさに、私の理想であり、夢でした。
2003年にオープンした長流美術館は、水墨画・油絵・彫刻・陶磁器・版画など多岐に渡る所蔵が1万点以上で、中国近代の傑出した画家として知られる張大千の作品なども所蔵しています。これらの所蔵品はすべて、黄・館長の卓越した鑑識眼と、収集にかける熱意と忍耐強さによって集められたものです。芸術と隣り合わせだった家庭環境は、黄・館長に類まれな書画鑑定能力と、芸術への強い愛情を授けました。
(黄承志・館長のお話)
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長流美術館 |
画廊や美術館の運営には、鋭い眼力に加え、理想を持ち続ける意志の強さが必要です。芸術品というものは、今日投資して明日利益が出る、というものではありません。例えば、30年以上も前に購入した作品が、10年、20年を経て、その価値が100倍や1000倍、時には1万倍にもなります。機が熟したその時になって、過去の投資が正しかった事が証明されるんです。
高額な値段が飛び交う芸術品のオークション風景は、一般の感覚ではなかなか理解しにくいかも知れません。しかし、黄・館長は、芸術とは決して遠い世界のものではなく、また必ず大金を必要とするものでもないと話しています。芸術への関心と、作品を見分ける力さえあれば、台湾元2~3万元で、将来100万倍もの価値になるかもしれない芸術品を手に入れることもできるというのです。
(黄承志・館長のお話)
30年ぐらい前、短大の教師をしている友人がいました。当時の彼の月給は数千元で、決して高収入ではありませんでしたが、芸術を心から愛する彼は、貯金を全て芸術品につぎ込んでいました。私たちは彼にアドバイスし、1964年に亡くなった書道家、于右任の作品、500元から1000元くらいのものを買い続けました。それらの作品は現在、どれも十数万元の価値になっています。これは、お金持ちだけが芸術品を持てるのではないという一つの例です。芸術とは、誰もが触ることのできるものなんです。
2階建ての長流美術館は、総面積約600坪、芸術品の展示の他、アートムービーを楽しむこともでき、また学術シンポジウムやオークションも開催されています。更には、地域の人々のための美術教室も行われています。ここでは、誰もが気軽に芸術に触れることができ、さながら、芸術空間とレジャーの融合した、コミュニティーセンターのようです。
(黄承志・館長のお話)
長流美術館は、1階が通常展示と特別展示のコーナーに分かれています。2階では、定期的に変更されるテーマに応じた展示を行います。例えば前回は、台湾海峡両岸の油絵作家の合同展示を行いました。テーマに合わせて、私たちの展示作品も常に更新されるのです。西洋画、中国画、彫刻、陶磁器など、何でもあります。芸術とは、長い期間をかけて触れ合うことで、人々の心を動かすものです。この美術館のまわりはマンションばかりです。近所の人たちが気楽に立ち寄り、繰り返し足を運ぶ人は日に日に多くなっています。今では、毎週のように訪れる人や、まるで我が家の応接間のように、お客さんを連れてやってくる人もいます。芸術を愛する人がどんどん増えていることを、実感しています。
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長流美術館 |
長流美術館の住所は桃園県蘆竹鄉中山路21号。アクセスは台北市の新交通システム・MRTの忠孝復興駅からバスが便利です。忠孝復興駅から長栄バスに乗り、「長栄吉邸」というバス停で下車、徒歩2分です。開館時間は午前10時から午後6時まで、毎週月曜は休館です。入場料は台湾元50元、子供・学生は40元です。
「長流美術館」の黄承志・館長の芸術への情熱はやむことはありません。無限に広がる芸術の世界の窓を、より多くの人々に広げ、もっと多くの人々が芸術のもたらすすばらしい喜びに触れること、黄・館長の夢は私たちをも芸術の世界に誘ってくれるのです。
(担当:上野重樹) |