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「関渡自然公園」と「無尾港水鳥保護区」 (2008.10.19)

 
     
 

1. 無尾港水鳥保護区

 

 

無尾港水鳥保護区

「無尾港水鳥保護区」は台湾東北部、宜蘭県蘇澳鎮にあります。1993年に台湾で三つ目の野生動物保護区として、正式に水鳥保護区とされました。面積は102ヘクタールです。2003年には地方文化館としても指定を受けました。台湾最大の面積を誇る、戸外活動方式の民間文化館です。美しい文化館といった建築物はありません。広い湿地全体が、自然生態の展示会場なのです。

 

無尾港はかつて一本の川、一つの港でした。しかし、台風がもたらす土石流と水害防止の工事で河はふさがれ、数十年で、水の流れが止まった沼地となりました。湿地となったここは、秋から冬にかけての渡り鳥の経路にあり、沼地は鳥たちに多くのエサを与えたので、北台湾における水鳥の有数の越冬地となりました。176種類の鳥類が確認されています。

しかし、この湿地を残すためには環境保護で争った歴史があります。

 

(無尾港文教促進会の鍾茂樹・理事長のお話)

 

ここは101.96ヘクタールあります。1980年代に経済部は火力発電所にしようとしました。都市計画では農業区となっており、発展性が高くなかったので、当時のお年寄りは皆賛成しました。しかし、若い世代は反対したんですね。また、国際的な水鳥関係の団体は調査をして、ここは台湾において鳥類が大変豊富な場所であることがわかりました。そこで台湾での重要な湿地と定めたのです。また、当時の宜蘭県政府はここを水鳥公園にする案を中央政府に出し、中央政府も台湾初の水鳥保護区に指定したんです。

 

無尾港文教促進会は出来ましたが、自然生態の保護と文化教育の推進は、地元住民にとってまったく新しい経験でした。さまざまな業界から専門的な背景を持たないメンバーやボランティアが集まりました。ゼロからの出発でした。口下手だった村人は、ユーモアたっぷりの解説員となり、保護区にするのに反対していた人に対しては、促進会のメンバーが実際の行動と実績で説得していきました。

 

(無尾港文教促進会の鍾茂樹・理事長のお話)
 

無尾港水鳥保護区

最初のころは何もわかりませんでした。今は50人ぐらいのメンバーが居ますが、一人として、農業や生態、植物、動物について専門の人はいませんでした。自分たちで模索していきました。最初のころ私たちは望遠鏡を持って、訪れる人たちを案内しました。皆、この仕事でどれだけもうかるのか知りたがりましたが、数年経ってから、見学者は、私たちが無報酬のボランティアだと知ったのです。そして、地元のお年寄りたちも私たちを受け入れ始め、さらには私たちに加わるようになりました。

 

コミュニティーの建設には専門家が必要です。しかし、専門家と地元の意見が合わないときはどうするのでしょう。鍾茂樹・理事長は、やはり地元の人の考え方で解決すべきだと思っています。

 

(無尾港文教促進会の鍾茂樹・理事長のお話)

 

最初のころ、外部から招いた専門家に指導をお願いしました。これら専門家は外国での経験などを台湾に持ち込みます。彼らは保護区は人が手を入れるべきではないと考えました。しかし、そうすると、沼地つまり保護区は徐々に陸地になってしまうんです。陸地になると水鳥はきません。そこで、私たちは政府に対して、この水鳥保護区を共同管理するよう働きかけました。私たちは、地元の考え方での運営にしていくべきだと思ったんです。

 

無尾港水鳥保護区

結局、地元の人たちはここで茂りすぎた水草を取り除くことにしました。陸地化の元凶を取り除き、昔の稲作の土地形態に戻したのです。そして、湿地を回復した翌年、水鳥はたくさん帰ってきたのです。

 

コミュニティーの永続的な運営で最も重要なのは、コミュニティーが団結して努力することです。無尾港文教促進会は自発的な民間組織です。すでに発足後十数年となりました。無尾港の沼地を保護する仕事のみならず、付近の小中学生がこの土地について知る手助けもしています。最初からこの仕事に携わっている鍾茂樹・理事長は、最も感動したのは多くのボランティアの自己犠牲といえる献身ぶりだといいます。ボランティアは家族総動員で、次の世代のために、美しく、誇らしいユートピアを残そうとしているのです。

 

(無尾港文教促進会の鍾茂樹・理事長のお話)

 

いつも感動していますよ。私たちのボランティアは、誰が来なかったとか遅れたとか気にしません。一部の女性ボランティアに対して、ある人が、戸籍をこっちに移したらと話しました。すると、その女性ボランティアはご主人と相談して、本当に戸籍を移してきたんです。促進会のメンバーは生活を共にしているようで、本当の兄弟より親近感を感じるんです。

 

無尾港水鳥保護区

無尾港水鳥保護区の面積は大変大きいもので、そこに秘められる自然と人文の資源は大変豊富です。そしてそれらは大自然の中にあります。鍾茂樹・理事長は、ここを訪れる人は予め解説を予約するよう勧めています。

 

(無尾港文教促進会の鍾茂樹・理事長のお話)


 

もし本当に自然生態に興味があってここにくるのなら、カメラとノートを持って来て下さい。そして、適切なタイミング、適切な場所で、解説員の解説内容を記録して下さい。それから、ゴミは残さないで。それで十分です。
 

無尾港水鳥保護区は年中無休、24時間開放されています。もちろん、入場券もありません。在来線の台湾鉄道で、羅東駅からタクシーなどで訪れることが出来ます。謙虚な気持ちで大自然に教えを請えば、大自然は数え切れない収穫を約束してくれるでしょう。

 

 

(担当:上野重樹)

 

2. 関渡自然公園

 

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