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「族群音楽館」と「台湾戯劇館」
(2008.10.26)

 
     
 

2. 台湾戯劇館

 

 

台湾戯劇館

台湾東北部・宜蘭県の文化センター内に「台湾戯劇館」はあります。1990年にオープンしたこの「台湾戯劇館」は、台湾で初めての公営地方文化館です。中心テーマとなっているのは「歌仔戯」、一般にゴアヒと呼ばれる台湾の伝統民族芸能です。

 

ゴアヒは台湾版オペラとでも言うべき、台湾を代表する古典芸能で、独特の節回しは全て台湾最大の方言である閩南語、いわゆる台湾語で行われます。賑やかな音楽をバックに、清代の華やかな中国式衣装を身にまとい、艶やかな舞台化粧をほどこした役者達が、様々な物語を演じます。清朝末期頃に始まったといわれるゴアヒは、ここ宜蘭で特に目覚しい発展を遂げました。宜蘭の文化と言えば、かならずゴアヒが話題に上ります。

 

(「台湾戯劇館」を運営する宜蘭県文化局の呂春山・局長のお話)
 

台湾戯劇館

「宜蘭が人々に与える印象のうち、ゴアヒはかなり大きいでしょう。初期のゴアヒは民謡を基調としており、その後、音楽や芝居に少しずつ様々な要素が混ざって行きました。ゴアヒ特有の身のこなしや歩き方、独特の衣装や小道具などは、閩南語の節回しとあいまって、台湾ならではのゴアヒを形作っています。ゴアヒは元々、村芝居として屋外に設けられた舞台で演じられるのが一般的で、こうした伝統的なゴアヒは、昨今のモダンなゴアヒとは大きく異なります。私達が最も重視しているのは、この地域本来の伝統的なゴアヒを、できるだけ原型に近い形で残し、それを広め、多くの人々に見てもらう事です。」

 

ゴアヒから始まった「台湾戯劇館」は、現在では、その他の古典芸能に関する展示も大変豊富となっており、ゴアヒを含めた4種類の台湾芸能が紹介されています。まず、「傀儡戯」。これは操り人形劇です。次に、ゴアヒ同様、台湾の伝統芸能として知られる「布袋戯」。ボテヒという名で知られている手袋式の人形劇です。そしてもう一つは、「北管」と呼ばれる音楽です。この北管は、ボテヒの音楽としても知られており、ゴアヒで使われる事もあります。

「台湾戯劇館」では、マルチメディアを利用してこれらの芸能を紹介している他、劇で使用される衣装や人形劇のパペットなども多く展示されています。もちろん、実際の上演を見る事もできますし、こうした伝統芸能を学ぶためのレッスンも行われています。

 

(宜蘭県文化局の呂春山・局長のお話)

 

台湾戯劇館

「県政府文化局の中に入っている「台湾戯劇館」は、1階から3階までの各コーナーに分かれています。1階では、それぞれの古典芸能が紹介されており、展示物も豊富です。例えば、著名なゴアヒ女優らが着用した舞台衣装、ボテヒの定番人気演目である西遊記の人形、北管で使われる銅鑼などです。2階では映像などが楽しめるようになっており、3階は特別展会場となっています。今年は、ゴアヒの大御所俳優・林栄春氏の生誕80年記念展が行われています。更に当館は、ゴアヒ教室も開催しており、ゴアヒの演技レッスンと音楽レッスンを受ける事ができます。こうしたより積極的な方法を通して、ゴアヒがいっそう広まり、後世に受け継がれて行く事を願っています。」


 

台湾戯劇館

お話の中にあった林栄春氏、宜蘭出身のゴアヒの大家である林氏は、1991年に、教育部から民族藝術の伝承を称えられ、表彰されています。

宜蘭県は、1992年から、台湾で唯一の公営ゴアヒ劇団となる「蘭陽戯劇団」も運営しています。この劇団は国内はもとより、海外でも多数の公演を行っています。

 

(宜蘭県文化局の呂春山・局長のお話)


 

「芸術、そしてその担い手は、時代と共にどんどん少なくなってきています。私達は、時間の流れに負けないよう調査研究を進め、また蘭陽戯劇団のような能動的な活動を通じ、宜蘭の地方芸能をいっそう盛り立てて行きたいのです。宜蘭には素晴らしい自然や文化がたくさんありますが、それだけではなく、宜蘭に来たならゴアヒを見ずには帰れない、そんな風になって欲しいのです。」
 

「台湾戯劇館」の住所は、宜蘭県宜蘭市復興路二段101号です。アクセスは、在来線の台湾鉄道宜蘭駅から徒歩20分ほど。開館時間は午前9時から午後5時まで、平日のみ、お昼の12時から1時まで休憩となります。毎週月曜と毎月の最後の一日は休館、入場は無料です。また、毎月第2および第4土曜日には各種の公演が行われます。なお、先ほどご紹介した林栄春氏の特別展は、20081230日まで開催中です。

 

宜蘭はまさに芸術の郷、「台湾戯劇館」以外にも、実に様々な文化施設があります。レジャーもグルメも盛りだくさんの宜蘭で、台湾ならではの芸術文化に触れてみれば、人々の生活と一体となって発展してきた台湾の素晴らしい伝統芸能を実感する事ができるでしょう。

(担当:上野重樹)

 

1. 族群音楽館

 

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