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「族群音楽館」と「台湾戯劇館」
(2008.10.26)

 
     
 

1. 族群音楽館

 

 

族群音楽館

台湾本島の最も南、屏東県屏東市に「族群音楽館」はあります。「族群」とは台湾ではエスニック・グループという意味合いで使われる言葉です。

 

台湾には、原住民と呼ばれる複数の先住民族をはじめ、数百年前に中国大陸から渡ってきた漢民族、それも閩南語を話す閩南人や客家語を話す客家人、そして、第二次世界大戦が終わってから、国民党政府と共に中国大陸から移り住んだ、中国大陸各地の人たちなど、様々なエスニック・グループが共に暮らしています。この「族群音楽館」は、族群構成が豊かな事で知られる屏東の、多様な音楽文化を紹介している文化館です。

 

「族群音楽館」の建物は、日本統治時代に陸軍第8飛行師の師団長の官邸として使われていた、和洋折衷スタイルの歴史ある建造物です。戦後は、中華民国陸軍の英雄で、東洋のロンメル将軍と呼ばれた孫立人・将軍の官邸や、中華民国空軍の招待所などとして使われてきました。1997年に屏東県政府に所有権が移された後、政府は、この地域の伝統ある音楽文化を保存し、そしてまた屏東市内では数少なくなったこの歴史的建造物を再生させるため、ここを「族群音楽館」とする事にしたのです。

 

(屏東県文化局文化資産課の曾龍陽・課長のお話)


 

族群音楽館

「この地域には、原住民のルカイ族やマカタオ族、また客家や閩南人など、異なる族群それぞれの音楽がありますが、それらを紹介できる場所がありませんでした。そんな時、この建物に気づいたのです。この建物は、建築物としても、また歴史的意義の上でも、屏東市を象徴する大変貴重なもので、まさにうってつけでした。」
 

2005年、これまで多くの軍人が過ごしてきたこの建物は、「族群音楽館」として生まれ変わりました。元々あった建物の1階は展示ホールに、2階は視聴覚室となり、また庭園にはオープン・カフェと円形の広場が設けられました。更に、旧館とは別に新館が建てられ、演奏ホール、階段式の教室、貯蔵室、会議室などが設けられました。

 

(屏東県文化局文化資産課の曾龍陽・課長のお話)


 

「旧館は、族群音楽の紹介がメインとなっています。1階のホールには、様々な族群の伝統楽器が展示されており、2階ではCDなどを視聴する事ができます。新館は、地域のコミュニティーセンターと教育面での役割を果たしています。建物全体は、なるべく本来の外観を失わないよう、必要な部分のみを補修しました。木造建築の基礎構造に、漆喰で塗り固めた竹の壁、そして押し出し開閉式の窓。往年の、日本式洋風モダンのスタイルがそのまま残されています。」

 

族群音楽館

屏東県の最南端、つまり台湾本島の最南端に近い場所に、恒春という地域があります。地理的要因や交通の不便さのため、台湾のほかの地域とは少し隔絶されているような場所ですが、それが幸いして、この恒春には、閩南人の民謡が非常に原型に近い形で残っています。

 

屏東出身の著名な民謡歌手・陳達さんの「思想起(思い起こせば)」はいわばクラシック。その昔、台湾に渡ってきた移民たちが、故郷を思って歌った歌だと言われています。陳達さんは、恒春に受け継がれている閩南語の民謡の代表的存在で、台湾の伝統楽器、月琴の名手でした。月琴とは、中国民族楽器から派生した、ボディの部分が満月のようにまん丸い弦楽器です。台湾では特に、「台湾月琴」と呼ばれる独自の発展を遂げました。美しい月琴の音色と、魂に響くような歌声が奏でる、陳達さんの「思想起」は、1960年代後半に大ヒットし、一世を風靡しました。「族群音楽館」には、恒春民謡の伝道師・陳達さんの波乱に満ちた人生を今に伝える貴重な文物も保存されています。屏東県には多様な族群音楽がありましたが、時代と共に姿を消しつつあります。族群音楽観ではこれらの音楽と楽器など、貴重な遺産を代々残していこうとしています。

 

(屏東県文化局文化資産課の曾龍陽・課長のお話)


 

族群音楽館

「族群音楽館で特に目を引くのは、恒春民謡に関する展示でしょう、陳達さんが使用していた月琴も残されています。他にも、様々な族群の楽器が、地域性や年代別に集められています。原住民の鼻笛や竹製の弦楽器、客家の古い吹奏楽器や打楽器、ビンナン語の伝統芸能であるボテヒと呼ばれる人形劇や、ゴアヒと呼ばれる台湾版オペラのような劇で使われる楽器などです。」

 

屏東県ではこの族群音楽館の後ろに続く、日本統治時代の建物71棟も今後、同じような形で文化パークとして整備していくということです。

 

「族群音楽館」の住所は屏東市中山路61号。在来線の台湾鉄道・屏東駅から800メートルほどです。開館時間は月曜から木曜までは午後1時半から夜10時まで、金・土・日は午前9時から夜10時まで、入場は無料です。

 

音楽館のカフェでは、屏東県内の原住民の集落で栽培された貴重なコーヒーを販売しています。特色豊かな屏東の音楽を楽しみ、南の太陽を浴びながら屏東ならではのコーヒーを味わえば、台湾の多様な族群文化を感じる事ができるでしょう。

(担当:上野重樹)

 

2. 台湾戯劇館

 

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