RT I ::: 福爾摩沙聚焦 - 地方文化館巡禮 :::
chineseenglish 
     

「白米木屐村」と「新港社区文化館-25号倉庫」(2008.11.30)

 
     
 

2. 新港社区文化館-25号倉庫

 
 

新港社区文化館

「新港社区文化館-25号倉庫」は台湾南部・嘉義県新港郷にあります。設立のきっかけを作ったのは、台湾を代表するコンテンポラリーダンス集団、「雲門舞集」、「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」の創設者、林懐民氏です。雲門舞集は林懐民氏によって1973年に作られた、台湾で初めてのコンテンポラリーダンス集団です。雲門舞集は、その完成度と芸術性の高さで国際的に評価されており、国内外で数々の賞を受賞しています。今月1120日には、ヨーロッパのムービー・メントス国際舞踊が林懐民氏を終身業績賞に選出しました。

林懐民氏は、嘉義県新港の出身です。1980年代後半、墓参に帰省した林氏は、陳錦煌という一人の医師に出会いました。陳氏は、既に国際的に活躍していた林氏に、故郷の新港に公演に来て欲しいと頼みました。初対面の陳氏からの依頼に林氏は快く応じ、地元中学校のホールで、雲門舞集の公演が行われました。1000人も入れば満員になってしまうそのホールには3000人近い地元の人々が集まりました。炎天下の中、空調設備も無い会場で熱心に演技に見入る人々の眼差しに林懐民氏は大きく心を打たれ、新港の人々がより多くの芸術に触れるために使って欲しいと、台湾元15万元の公演料をその場で寄付したのです。陳錦煌氏は、その林氏の思いを実現するため新港文化教育基金会を設立し、新港の芸術文化水準の向上のために活動し始めました。新港文化教育基金会の葉玲玲・執行長は、次のように話しています。

(新港文化教育基金会の葉玲玲・執行長のお話)

新港社区文化館

当時、台湾の特に地方では、賭け事が大流行していました。医師である陳氏は、病人がみな目の色を変えて賭け事に熱中している様子に心を痛め、彼らの健康を取り戻すには、医学的治療だけでなく、文化的側面を通して、社会そのものを健康にしなければならないと考えていたんです。そうした思いから、陳氏は林懐民氏に公演を依頼したというわけです。
 

林氏からの思いがけない寄付を受け、1987年に基金会が発足してから20年余り、基金会は新港の文化事業に力を注いで来ました。そして2006年ついに、長年の夢であった大型の展覧館、「新港社区文化館-25号倉庫」の開館に至りました。元々「25号倉庫」という米蔵だった建物が、現在の文化館に生まれ変わったいきさつについて、葉・執行長は振り返っています。

(葉玲玲・執行長のお話)

新港社区文化館

基金会の事務所にも展示スペースはあったのですがとても狭く、多様な芸術作品を展示するには何かと不便でした。そんな時、既に使われなくなっていた農会(日本の農協に相当)の25号倉庫に気がついたんです。農会は快くこの倉庫を無料で提供してくれ、改修が始まりました。木造倉庫の本来の姿をなるべく失わないように、必要な設備を加え、米蔵は二つのホールを持つ大きな展示館として生まれ変わりました。現在の25号倉庫では、芸術展示が行われるだけでなく、イベントや地元向けの様々な教室も開かれ、文化を通した人々の交流の場となっていて、農作業を終えた人たちが、気軽に立ち寄って芸術を楽しむ光景も見られます。米どころとして知られる新港の主産業は農業です。農家の人たちが丹精を込めて稲を育てる過程と、芸術家が心血を注いで作品を創り上げる過程には、通じ合うものがあるんでしょう。以前なら芸術に縁のなかった人々が、地元で、こうして自然に芸術に触れている、この事は私たちにとって大きな喜びです。
 

新港社区文化館

新港社区文化館-25号倉庫の住所は、嘉義県新港郷登雲路1112号、アクセスは在来線の台湾鉄道・嘉義駅から嘉義客運というバスに乗り「新港」停留所で下車、片道約30分です。開館時間は午前10時から午後5時まで、月曜日は休館。入場は無料です。

新港が世界に誇る芸術家、雲門舞集の林懐民氏や、一人の医師であった陳錦煌氏の思いは今、新港文化教育基金会という形になって、新港の地に芸術の息吹を生み出しています。その結晶とも言える新港社区文化館-25号倉庫は新港きっての観光スポット・奉天宮に近接しています。奉天宮には台湾で広く信仰されている神様・媽祖様が奉られており、連日参拝客で賑わっています。新港に来たならぜひ、奉天宮で台湾土着の文化に触れ、そして25号倉庫で、近代アートを楽しんで行って下さい。

 

(担当:上野重樹)

 

1. 白米木屐村

 

| 戻る

戻る

|

文建會 :::地方文化館:::

www.rti.org.tw