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光点台北電影主題館 (2008.7.20)    
     

 

光点台北電影主題館

台湾には各地方の文化を紹介する「文化館」があり、その数は273箇所を超えるといいます。それぞれの地方文化館のテーマによって展示品の内容もさまざまです。これら文化館に秘めらているその意義と精神的パワーは、台湾の地方文化をより美しく輝かせています。今日は開館してから無数の映画の愛好者を引き付けている映画のテーマ館、「光点台北電影主題館」にスポットを当てたいと思います。

光点台北電影主題館はひかり、点数のてん、台風のたい、「みなみ、きた」という時の北、電話のでん、影が薄いというときのかげ、主人のしゅ、題目のだい、最後に博物館の館と書きます。英語では、「スポット・タイペイ・フィルム・ハウス」といいます。中華圏では「電影」というのは、日本語の「映画」を意味します。台湾でいつつ星級のホテルの密度が一番高いとされ、日系企業やウエディング・ドレス屋さんが集中することで有名な台北のストリート、中山北路。なか、やま、きた、そして道路の「ろ」と書く中山北路にあります。ここは、「台湾電影文化協会」が台北市文化局の委託を受けて、その経営と管理に当っています。

台湾電影文化協会の理事長は、台湾の名作映画、「悲情城市」のメガホンを取った、侯孝賢・監督で、彼を含めた関係者達の企画によって、ここは映画文化をテーマとする文化・芸術のスペースとして活用されることになりました。映画の放映は勿論のこと、映画監督と向かい合っての座談会や映画教育、台北映画祭など、映画監督と映画ファンとの相互交流が出来るような、さまざまな関連イベントも催されます。

光点台北電影主題館

20021110日に正式に開館し、88の座席数を有する「光点台北電影主題館」、「スポット・台北・フィルム・ハウス」ここでは、お昼の12時から深夜12時まで、毎日六本の映画が上映されています。これら映画のいずれも「台湾電影文化協会」が選んだ、特色や創意工夫が溢れた映画の数々ですが、映画を選択する時の難しさについて、担当者の王師さんは次のように述べました。王師さんの王師は王様のおう、お師匠さんのしと書きます。 

「館内で上映する映画を選ぶ時、一番難しいのは台湾の人たちが一体どんな映画を見たがっているのか、それを判断することです。芸術映画もそうです。私の観察では、“スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”で、比較的興行成績のいい芸術映画は2種類です。一つは今で言う、いわゆる「文芸青年」が比較的興味を持ちそうなジャンル、あるいは人物に関するものです。例えば、今年、館内で「なら:奈良よしもととの旅の記録」を公開しました。「奈良よしもと」は世界的に有名なイラスト・レーターでデザイナーでもありますが、このようなターゲットがとてもはっきりしている映画なら、“スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”ではよく歓迎されます。

また、アメリカの有名な映画監督“ガスヴァン・サント”さんがメガホンを取った映画「パラノイド・パーク」も人気が高かったです。これは国際映画祭や青少年の間でとても有名な上、“クリストファー・ドイル”さんが撮影監督を務めるなど、とてもいい宣伝材料にもなりました。このような、映画の主旨やターゲットとなる対象がはっきりしている映画なら、“スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”ではわりと、いい興行成績を収められます。芸術映画の市場では、このようなジャンルの映画が比較的受け入れられやすいんです。 

もう一つの種類は、わりとポピュラーな、心温まる映画で、このジャンルの映画もいい興行成績を収めます。例えば、最近公開したばかりのフランスの田舎を舞台にした長編「食料品屋の息子」という映画がありますが、これは父親と息子の間における伝統的な職業の伝承や、地元の住民または土地に対する思いやりを描く映画です。このジャンルの映画なら、その口コミによって、普段、あまり芸術映画が好きじゃなく、そして、あまり映画館に姿を現さない年長者の視聴者をひきつけることが出来るんです。」

王師さんによりますと、「光点台北電影主題館」“スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”に映画を見に来る人の年齢はしゅとして18歳から35歳までの人達だそうです。文芸青年が中年になりますと、あまり映画を見なくなるようで、王師さんはこれらの映画人口を取り戻そうとしています。

「台湾の映画市場の主力人口ははやり、18歳から35歳までの人達です。理由の一つは、中学生や高校生など、18歳未満の青少年たちに経済的に余裕があまりないこと、もう一つの理由は、これら若者の好きな映画は、娯楽性が比較的強いものだからです。そのため、18歳未満の芸術映画の視聴者を育てることはわりと難しいです。そして35歳以降になりますと、文芸青年だった人達の映画離れが目立ちます。以前の台湾では、映画を見ることは家族が全員で楽しむ娯楽活動でした。

しかし、ここ数年、映画を見ることはすでに一つの「イベント」、もしくは一つの社交手段になっていて、以前に比べて、映画の鑑賞者数や、映画を見に行く人の頻度もだいぶ減りました。本を読むことなど、文字の閲覧があまり重視されなくなりつつある今の時代、映像を見る人口の拡大は比較的しやすい事で、時間の節約にもなりますので、われわれは一人でも多くの映画人口が増えるように努力したいんです。」

去年9月か10月ころ、「光点台北電影主題館」スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”

ではまた、日本の映画を2本(導入)公開しました。一つは日本で200万部を突破する大ベストセラーになったリリー・フランキーさんの半自伝的小説を映画化した「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」。もう一つは渡辺謙(わたなべ・けん)さんが主演した「明日の記憶」の2本です。「東京タワー・オカンとぼくと、時々、オトン」の内容は癌をわずらって闘病生活をしながらも上京して、息子の世話を焼くお母さんのお話。そして、「明日の記憶」は、急に若年性アルツハイマー病に襲われた40代の働きざかりのサラリーマンとそんな夫を懸命に支えようとする妻との絆を描くものです。

「この2本の映画はいずれも感動的なもので、映画の放映期間中、普段、あまりここに来ないような中年の人たちが見に来ました。しかも、それは20代か30代の子供達が、50代、60代、もしくは70代の親達を連れて見に来たのです。」と、王師さんは言っています。また、あるスポーツ選手が事故で自由に行動できなくなり、リハビリを行いながら、再び自分に挑戦しようとする、アメリカのスポーツ映画、「ピースフル・ウォリアー」が公開された時も、夜10時半ごろにも関わらず、あるお母さんが二人の子供を連れて見に来たといいます。親子三人が映画を見ているあいだ、このお母さんはずっと、子供達に映画の内容を説明していたそうですが、王師さんは、この光景を見て、映画はただの娯楽だけではなく、ある意味では家族の絆を深めたり、社会教育の役割も果たしたりするものだと思ったと話しています。

光点台北電影主題館

「光点台北電影主題館」スポット・タイペイ・フィルム・ハウス”の前身はアメリカの台湾駐在大使館、「台北之家」です。台北之家は台風のたい、南、北という時の北、芝生の芝から草冠を取った漢字、最後に家屋の「か」と書きます。英語では「台北ハウス」といいます。2階建ての白い西洋式建築物ですが、敷地面積は375坪です。1979年、中華民国とアメリカが国交を断絶してのち、十数年あまり放置されたため、一時はお化け屋敷のようになっていました。 

1997年、内政部によって3級の古跡に指定されたため、ここは台北市文化局の管轄下に置かれるようになりました。当時の台北市文化局長、龍応台・女史は、台湾の半導体ウエハー受託生産業の最大手、台湾積体電路製造会社を経営母体とする台湾積体電路文化教育基金会からの資金提供で、建築物の本体を修復し、現在の綺麗な姿に変身させました。今、「台北ハウス」の一階には、車庫から改築された国内外の映画を定期的に放映する「光点電影主題館、スッポット台北・フィルム・ハウス」のほか、喫茶店や映画芸術及び都市をテーマとする本を専門に販売する本屋もあります。2階には講演や座談会などが行える多目的ホールや回廊展示館などがあります。国際的に有名な台湾の侯孝賢・監督が映画関係者や文化芸術が好きな人達のために築いたこの夢のパラダイス。アメリカの南の方に見られる田園風の建物であるため、緑いっぱいの中山北路を通ると、ついついその立派な外観に目を奪われてしまうでしょう。

侯孝賢・監督やアンリー・監督など、台湾出身の映画監督の知名度が国際的に高くなるに連れて、台湾の映画文化も国際社会で注目されつつあります。今年3月、アメリカの大手新聞社、「ニューヨーク・タイムズ」は、「36時間で台北を遊ぼう」と題した記事を掲載しました。記事の中では、台北を旅行する時のスケジュールに「光点台北電影主題館、スポット台北・フィルム・ハウス」を組み込み、ここで一杯、コーヒーを注文し、素敵な音楽を鑑賞しながら、のどかな一時を過ごそうとアドバイスしています。ご興味のある方は一度、試してみては如何でしょうか?

「光点台北電影主題館、スポット台北・フィルム・ハウス」は台北市、中山北路218号にあります。2段の段は「段落のだん」と書きます。台北市や台北県の人達の通勤、通学の足となっている台北新交通システム、MRTの淡水線の駅、中山駅の隣に位置し、わかりやすいです。淡水線はあわい、みず、線路のせんと書いて、中山駅の中山はなか、やまと書きます。淡水線の中山駅で降りて、4番の出口から歩いておよそ3分のところにありますが、現在、4番出口は工事中のため、開放されていません。ご注意ください。

館内での参観は無料ですが、映画チケットは一人台湾元220元です。映画の放映時間は午前12時から夜12時までで、毎月の第一月曜日は休館日となります。「台北ハウス」は台北の人だけを対象にした施設ではありません。台北がお好きな皆様のための「いえ」でもあるのです。ぜひとも、気軽に訪れてみてください。ミュージアム台湾、台湾博物館の2番目のコーナー、フォルモサ・フォーカス、地方文化館めぐり、今日は映画のテーマ館、「光点台北電影主題館(こうてんたいぺいでんえいしゅだいかん)、スポット・台北・フィルム・ハウス」についてご紹介しました。
 

(担当:荘麗玲)

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