東部・花蓮県馬太鞍渓上流の堰止湖が台風18号通過後に大規模に決壊し、光復郷に甚大な被害をもたらしました。これを受け、物資や義捐金が各方面から相次いで寄せられるなか、国籍を問わず多くの「鏟子超人(スコップを手に救援に駆けつける人々、スコップヒーロー)」が自発的に災害救助に加わりました。28日未明には、休暇中のインドネシア人労働者のグループも午前5時に集結し、災害支援のため現場へ向かい、ネット上では感謝の声が広がりました。
インドネシア人労働者の「黒皮軍」
NGO団体「好人会館(Hualien City)」はフェイスブックで「かつて炎天下で日焼けしたボランティアを『黒皮衫』と呼んだが、今回は長年花蓮の工事現場で働くインドネシア人労働者が『黒皮軍』を結成し、早朝5時に被災地へ出発した」と伝えました。
同団体は、港での外国人労働者支援や南アジア留学生の救援・保護活動を長年進めてきたことから彼らと深い友情を築いており、今回も労働者たちが自主的に連携し、休日を救援活動に充てることを決めたと説明しました。
ネットユーザーは「善の循環」と称賛
市民らはスコップや長靴、一輪車、乗車券などを準備。27日夕方に集合を終え、翌28日午前4時半に起床、5時には駅へと向かいました。「好人会館(Hualien City)」は「彼らは豚肉を食べられないため菜食を選び、しかも非常に働き手として有能なボランティアだ。ぜひ大切にし、励ましてほしい」と呼びかけました。
このニュースは「善の循環」としてネット上で称賛され、多くの人々から台湾への貢献に感謝が寄せられました。
ウクライナ、日本、フランスからも
実際、光復郷の災害発生後には、台湾に住む多くの外国人が「鏟子超人(スコップヒーロー)」として現地に入りました。
桃園に暮らす2人のウクライナ人女性は、台湾滞在9年。もともと花蓮旅行を計画していましたが、被害の報に心を痛め、プランを変更して救援活動に参加しました。

また、台湾在住の日本人・斎藤忠孝さんはフェイスブックに「この3日間、行くべきか悩んでいた。花蓮はこの1年で多くの友人や経験を与えてくれた場所。迷惑になるのではと躊躇したが、多くの『鏟子超人(スコップヒーロー)』が光復郷に集まっているのを見て、今やるべきは行動だと気づいた」と投稿し、「光復、待ってろ」と決意を表明しました。

さらに、台湾を愛し台湾語も堪能なフランス人、吉雷米(Remy Gils、通称:一粒米)さんは、災害発生直後にトラックでスコップや熊手、バケツなどを集めて花蓮へ運び込みました。「まるで夜市で屋台を出すような光景だが、今回は売り物ではなく希望を被災地に運ぶんだ。『台湾人のことは自分のことだ』」と強調しました。
そのほか、地元で英語を教える外国人教師も、スコップやバケツを持ちバイクで街を走り回る姿が目撃され、泥まみれで救援に励む様子がネット上で広まり、多くの人々を感動させました。
(編集:王淑卿)