頼清徳‧総統は10日、中華民国の建国記念日を祝う「双十国慶節」祝賀大会で、「變局中 奮起的新台灣(変化の中 奮い立つ新しい台湾)」をテーマとした国慶演説を発表しました。台湾海峡両岸に関する論述が昨年より少なかったことから注目を集めています。国家安全保障関係者は、頼‧総統の国慶演説について、第一に、安定感があり明快なスタイルで、民主的な台湾の国際社会における重要な地位を論じた。第二に、「互いに隷属していない」ことに一切言及しなかったのは、「台湾と中国は互いに隷属していない」、「世界の台湾」が既に台湾社会における最大の共通認識となっていることを暗に示しており、民主的な台湾の主体性と国際社会に向けた戦略的自信を堂々と示したものだと述べました。
国家安全保障関係者によりますと、頼・総統の今回の国慶演説における台湾海峡両岸に関する論述は、第二次世界大戦終戦80周年を導入部とし、「平和」というキーワードを主軸に据えており、3つの重要なポイントがあります。第一に、民主的な台湾の重要な地位は、まさに「インド太平洋地域の平和と安定の要」としての役割を果たすことにあると論じ、第二次世界大戦の歴史を教訓として、その教訓を汲み取り、「台湾海峡両岸は平和を追求すべきである」という核心精神を描き出しました。第二に、中国に対し、大国としての責任を果たすよう呼びかけ、第二次世界大戦の歴史文書を歪曲することをやめ、武力や脅迫によって台湾海峡の現状を変更しようとすることを放棄するよう求めました。頼・総統は民主的な台湾の立場から呼びかけると同時に、権威主義の中国との対比を示し、談話の中で「互いに隷属していない」という概念を明確にしました。第三に、台湾は平和を守るために実力を強化するとし、新たな国防予算が3つの主要目標を達成することを明言しました。
国家安全保障関係者はまた、頼・総統の今年の国慶演説における台湾海峡両岸に関する論述が昨年より簡潔になったことについて、第一に、安定感があり明快なスタイルを示し、民主的な台湾の国際社会における重要な地位を論じ、民主的な台湾と権威主義の中国との接点は共に「平和を追求する」ことにあるべきだと指摘したこと、第二に、演説全体を通じて「互いに隷属していない」という言葉に言及しなかったことは、「台湾海峡両岸は互いに隷属していない」、「世界の台湾」が既に台湾社会における最大の共通認識となっていることを暗に示しており、台湾は「四つの堅持」と「平和のための四つのアクションプラン」を基礎に、平和を守り、国際社会に向き合い、民主的な台湾の主体性を自信を持って示していくと述べました。
国家安全保障関係者さらに、台湾海峡両岸に関する論述が減ったかどうかは重要ではなく、重要なのは「世界に関する論述が増えた」ことであり、同時に台湾を国際的な枠組みの中に位置づけ、もはや台湾と中国の関係を軸とするのではなく、「戦略的インド太平洋」を中核として、台湾は既に世界の台湾であることを強調し、国際社会に向けた戦略的自信を示したと指摘しました。
(編集:許芳瑋/中野理絵/王淑卿)