日本政府は3日、2025年秋の叙勲受章者名簿を発表しました。この中で、台湾の総統府資政(最高顧問)で前駐日代表の謝長廷氏が「旭日大綬章」を受章することが明らかになりました。
旭日大綬章は、歴史的に「勲一等旭日大綬章」と呼ばれ、日本の勲章制度の中でも最高位の栄誉のひとつで、今年は外国人受章者8人のうち、台湾からは謝氏だけが選ばれました。

謝長廷氏はSNSで「多くの日本の友人からお祝いのメッセージをいただき、非常に光栄に思う」と述べました。受章は、駐日代表として8年間にわたり、台日間の経済文化関係の促進、地方交流、民間友好、そして自然災害における相互支援の「善の循環」の推進などに貢献したことが評価されたと書きました。
謝氏は「この栄誉は個人の力によるものではなく、多くの人々の努力の成果であり、台湾だけで成し得たことではない。日本側との長年の相互信頼と協力の積み重ねの結果だ。皆を代表して受章する気持ちで、心から光栄に思う」と、長年支えてくれた友人らに感謝の意を表するととも、今後も台日友好のために力を尽くしていくとしています。

今回の受章について、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会の片山和之代表(駐台大使)も「日本としても非常に光栄であり、まさに『喜びが二重に重なる素晴らしい出来事だ』」とコメントしたということです。
旭日章は、日本国内外で顕著な功績を挙げた人物に授与される勲章で、6階級のうち旭日大綬章は最上位にあたります。台湾ではこれまでに、王金平・元立法院長(元国会議長)、許水徳・元考試院長(元大臣)、賴浩敏・元司法院長らが受章しています。
日本政府は慣例に則り、11月3日の「文化の日」に秋の叙勲名簿を発表し、11日に東京の皇居で親授式を行う予定です。
今回の秋の叙勲者は3963人で、このうち女性は427人。最高位の「桐花大綬章」は尾辻秀久元参議院議長と戸倉三郎元最高裁判所長官が受章しました。
旭日大綬章の日本人受章者には、高市早苗首相の夫で、元農林水産副大臣の高市拓(山本拓)氏、熊本県元知事の蒲島郁夫氏、元NHK会長の前田晃伸氏ら6人が含まれています。
外国人受章者は104人(女性33人)で、53の国と地域から選ばれました。このうち、謝長廷氏のほか、ベトナムの阮晋勇(グエン・タン・ズン)・元首相、エジプトのサーメハ・シュクリ元外相ら8人が旭日大綬章を授与されます。
なお、亀甲萬(キッコーマン)創業家出身の日本芸術文化振興会の茂木七左衛門元理事長が旭日中綬章を受章。ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏と、「マジンガーZ」の漫画家・永井豪氏が旭日小綬章を受章しました。ゲーム制作者の叙勲は今回が初めてです。
関連ニュース
https://www.rti.org.tw/jp/news?uid=3&pid=137535
謝長廷前駐日代表が新刊書を発表、在任中最高の感動と最大の困難をシェア
https://jp.rti.org.tw/news/view/id/101449
謝長廷氏が見る罷免運動、「悪の循環、民主政治は協議の政治であるべき」
https://jp.rti.org.tw/news/view/id/101448
大法官の指名を狙う?謝長廷氏:指名を受けず
(編集:王淑卿)