台湾と日本の過去1年間の緊密な交流を象徴する「日台交流サミット IZA 鎌倉」が、11月4日、日本神奈川県の古都・鎌倉で開かれました。会議では2025年の「神奈川宣言」が採択されたほか、就任から間もない高市早苗新首相に対し、日本の地方の議員や在日台湾人社会からは、新しい政治局面への期待が寄せられました。
今回で第11回を迎えたサミットは、初めて関東地方で開かれ、会場に古都・鎌倉が選ばれました。前回は台湾の古都・台南で行われたことから、台北駐日経済文化代表処(駐日大使館に相当)の李逸洋・代表(駐日大使)は「古都から古都へというつながりに大きな意義がある」と述べ、「このサミットは台日の地方交流を推進する最も成功したモデルとなっている」と強調しました。

李・代表は取材に対し、高市早苗首相が就任以来、台湾に対して示している積極的な姿勢を高く評価しました。さらに「自由で開かれたインド太平洋」の理念のもと、日本がより積極的な役割を果たすことを期待するとともに、「台湾と日本などの盟友、および価値観を共有している国々は安全保障の面で協力を一層強化する必要がある」と述べました。
高市首相は就任直後のASEAN関連首脳会議でも、台湾海峡の平和と安定、安全保障の重要性を訴えています。李・代表は「高市首相はアメリカのトランプ大統領や中国の習近平・主席との会談でも自身の考えを明確に示している」と指摘しました。李・代表はまた、日本が防衛予算の増額を進めていることに触れ、「高市首相がアジアにおける平和と安定の要となるだろう」との見方を示しました。
頼清徳・総統「古都の継承を象徴」と評価
賴清徳・総統もビデオメッセージで登場し、自由民主党の新総裁となった高市早苗氏が第104代日本の首相に就任したことに祝意を表しました。かつて台南市長を務めた賴・総統は、前回の台南から今回の鎌倉へと会場が移ったことについて、「古都の継承を象徴しており、台日の友情がさらに深く、緊密になった」と語りました。
また賴・総統は、「いま民主主義国家は権威主義の拡張という共通の挑戦に直面している。台湾は民主国家として、民主的なパートナーとの協力をさらに深化させ、強靭な『民主供應鏈(民主主義国で構成されるサプライチェーン、ノンレッド・サプライチェン)』を築いていく」と述べました。さらに「台湾と日本が経済と安全保障の両面でレジリエンスを高め、民主主義と自由の価値を共に守り、インド太平洋地域の平和と繁栄のために協力していくよう」呼びかけました。
李・代表はあいさつの中で、台湾が現在、世界の最先端半導体チップやAIサーバーの9割を生産しており、半導体パッケージングや先端パッケージング分野で世界をリードしていることを紹介しました。半導体設計ではアメリカが首位、台湾が2位を占めていますが、日本は製造装置や材料で強みを持っています。李・代表は「台湾・アメリカ・日本による堅固な『ノンレッド・サプライチェン』がすでに形成されつつある」と述べました。
さらに、「現在は『ノンレッド・サプライチェン』が『赤いサプライチェーン(中国を含む供給網)』と対峙する時代である」と指摘し、今後AI主導の時代において、台湾と日本はAIだけでなく、再生可能エネルギーや無人機(ドローン)などの分野でも連携を強化できると述べました。「民主主義国家の協力は、世界の半導体とAI供給網の強靭化に大きく貢献する」と強調しました。
高市政権への期待と課題
今回の会議で採択された「神奈川宣言」には、日台関係基本法の早期制定、台湾の国際機関への参加拡大、経済連携協定の締結、民間交流と協力の促進、防災分野での知識と経験の共有など、五つの要望が盛り込まれました。ただし、その内容は過去の宣言と大きく変わらず、目立った新展開は見られませんでした。
このうち「日台関係基本法」については、以前から多くの学者や国会議員が提案してきましたが、実現には至っていません。保守派として就任した高市首相ですが、少数与党の立場から、国会開会後はまず国内政策の対応を優先する見通しです。これまでの外遊でも、台湾に関する発言で目立った突破口は見られていません。
それでも、高市首相は10月24日の所信表明演説で、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を引き続き外交、安全保障の中心に据えると明言しました。今後、この戦略的視点は経済、安全保障の枠を超え、より広い分野に及ぶとみられます。これにより、今後の台日交流はより自由度が高まり、人材交流の層や深さにも新たな変化が生まれると期待されています。
(編集:王淑卿)