賴清徳・総統は11日、「2025年総統科学賞」の授賞式であいさつし、台湾が強固な科学研究の基盤と豊かな研究開発能力を持っているとし、政府は今後も人材育成と研究環境の整備に力を入れ、向こう30年のうちに物理、化学、医学の3分野で少なくとも3人のノーベル賞受賞者を輩出するよう努力すると述べました。
「2025年総統科学賞」授賞式は11日、総統府で行われ、賴・総統が自ら生命科学部門の梁賡義・中央研究院院士(フェロー)と、工学科学部門の葉均蔚・院士の2人に賞を授与しました。中央研究院は台湾の最高学術研究機関です。
頼・総統は祝辞の中で、両氏に祝意を表するとともに、世界の科学の発展に対する両氏の貢献に感謝しました。梁賡義・院士が提唱した「一般化推定方程式(GEE)」は統計学における画期的な手法として、臨床研究や公衆衛生政策に大きな影響を与えました。また、新型コロナウイルス感染症流行時には検査キットや薬剤、ワクチンの開発を導くなど、台湾の科学教育や公衆衛生、社会の安定に多大な貢献を果たしました。
一方、「ハイエントロピー合金の父」と呼ばれる葉均蔚・院士は、世界の上位2%の科学者にも選ばれており、ハイエントロピー合金の研究潮流を牽引しました。現在、この合金技術はスマートマシン、グリーンエネルギー、バイオ医療、防衛、宇宙工学など幅広い分野で応用され、基礎科学の発展や産業革新、ハイエンド人材の育成に深い影響を与えています。
賴・総統は、スイスのローザンヌにある国際経営開発研究所が発表した「世界競争力年鑑」によると、台湾は「科学インフラ」で世界第5位、「人口1,000人あたりの研究者数」では世界第2位となっているとし、台湾の研究力の高さを紹介しました。
頼・総統は「政府は科学分野で戦略的な取り組みを進め、民間の力とも連携して人材を育て、より良い研究環境を提供する。台湾が世界の科学発展にさらに貢献できるようにしたい。30年のうちに、物理、化学、医学の3分野で少なくとも3人のノーベル賞受賞者を誕生させたいと思う。今日ここにいる2人の受賞者も、その有力な候補と言えるだろう」と述べました。
さらに、国立台湾大学と中央研究院が主導する「台湾ブリッジプログラム(Taiwan Bridges Program)」がすでに始動しており、国内10の主要研究機関と連携して、今年から来年にかけて計31人のノーベル賞受賞者を台湾に招く予定です。公開講演や小規模討論会などを通じて国際学術交流を進め、台湾と世界の結びつきを深めていく方針です。
賴・総統は「政府は台湾を世界の知識創造のハブとして発展させるよう引き続き努力する」と強調しました。
(編集:王淑卿/呂学臨/本村大資)