中国は2025年末、いわゆる「正義使命-2025」と名付けた、台湾を取り囲む形での軍事演習を実施しました。立法院(国会)は8日、国防部(防衛省)などを招き、中国軍の関連活動に関する分析報告を行いました。国家安全局によりますと、演習期間中、中国軍は多様な認知作戦や情報戦の手段を併用し、約2万件の虚偽・偽情報を拡散するとともに、台湾のサイバーセキュリティシステムに対して2日間連続200万件を超える攻撃を仕掛けたということです。
国防部の報告では、中国はアメリカが111億ドル(日本円でおよそ1兆7380億)相当の台湾への武器売却を承認したことを理由に、2025年12月29日から31日にかけて台湾海峡周辺で台湾を標的とする実弾軍事演習を実施したとしています。演習には「海空戦備警戒パトロール」、「重要港湾、海域の封鎖」、「外部からの立体的抑止」などが含まれ、期間中に主要戦闘機と補助戦闘機のべ210機、艦艇のべ17隻、海警船のべ8隻を派遣し、法律戦、心理戦、認知戦を併用することで台湾社会の士気を揺るがそうとしました。
国防部は、こうした中国の挑発行為に対し、国軍は戦備態勢の強化を継続し、共同の情報・監視・偵察、既存の対応メカニズム、国際戦略コミュニケーションなどを活用して、あらゆる妨害や威嚇行動に積極的に対処していると説明しました。
国防部参謀本部の作戦及び計画参謀室の次長であるの連志威・中将は、「国軍は『衝突をエスカレートさせず、争いを挑発しない』との指導方針に基づき、各部隊の統合作戦訓練を強化し、24時間体制の高い戦備能力を備えることを目標に、中国軍のあらゆる脅威に冷静に対処している」と述べました。
国家安全局は分析の中で、中国の軍事演習の主な動機は、アメリカや日本などの民主主義国による台湾支援への対抗であり、中国国内の経済的困難への注目をそらすとともに、中国人民解放軍の力が反腐敗行動の影響を受けていないことを示す意図もあったと指摘しました。
また、国家安全局によりますと、演習期間中、中国が中国語と英語両言語での演習告知、台湾周辺の7カ所の海域、空域における航行、飛行禁止エリアの設定、実弾射撃の計画などを公表したことは、台湾の国際および国内航行と飛行の安全を妨害するとともに、多様な認知戦を用いて国民の防衛意識を弱体化させようとしました。同局の簡華慶・副局長は、「昨年12月29日から今年1月2日までの間に、中国はSNS上に1万9,000件を超える、物議を醸す情報を拡散し、そのうち異常アカウントは799組に上る。中国からのサイバー攻撃は演習初日にのべ208万件に達し、演習2日目にはさらにのべ209万件に増加しており、軍事演習を通じた台湾へのネット攻撃の手法が浮き彫りになっている」と述べました。
外交部(外務省)は、中国による軍事演習発表を受け、直ちに標準作業手順に基づく対応を開始したと説明しました。中国側の挑発行為を厳重に非難するとともに、理念を共有する国々や国交樹立国における在外公館に対して、台湾海峡の平和と安定への支持を求め、中国による認知戦への対抗措置を講じたとしています。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)