シンガポール前首相のリー・シェンロン上級大臣は8日、台湾海峡の平和は極めて重要であり、各方面が「現状維持」を主張しているものの、実際の行動は緊張を高めていると指摘しました。これに対し、我が国の外交部(外務省)は、この見解は必ずしも現実を十分に反映したものではないとした上で、軍備を継続的に拡張し、台湾への圧力を強め、最終的に現状変更を目的とする中国共産党政権に対応するため、台湾は積極的な行動を取る必要があると発表しました。
リー上級大臣は8日、シンガポールのシンクタンクが開催した「區域展望論壇(地域展望フォーラム)」で、台湾海峡の平和は極めて重要だと指摘。近年、各方面は現状維持を主張しているものの、実際の行動は緊張を高めており、誤った判断による衝突のエスカレートを避けるため、各国が段階的に情勢を緩和することを望むと述べました。
これに対し外交部は8日夜、リー上級大臣が地域および世界の平和と安定に高い関心を示したことは、台湾海峡の平和と安定を維持することが国際社会の共通認識となっていることを示すものであり、外交部としても高く評価すると指摘。しかし、リー上級大臣が「近年、各方面は現状維持を主張しているものの、実際の行動は緊張を高めている」、「各国の立場や行動は相互に影響し合う」と発言したことについて、外交部は、この見解は現実の状況を必ずしも十分に反映したものではないと発表。そのうえで、中華民国台湾は一貫して、責任ある慎重かつ着実な方法で地域の安全情勢に対応することを改めて強調しました。
外交部はまた、台湾は民主主義と自由、そして平和で安定した台湾海峡の現状の維持に尽力するため、積極的な対応を取る必要があると指摘。その理由として、現在、中国共産党政権が軍備を拡張し続け、台湾に対して政治的・外交的圧力をかけ、最終的には現状を変更しようとしている点を挙げました。
さらに外交部は、このような安全保障上の挑戦に直面する中、台湾は自らの防衛能力を引き続き強化し、全体的な強靭性を高めていく。並びに、衝突を意図的に激化させないことを前提に、アメリカをはじめ理念の近い国々との安全保障、経済、その他の重要分野での協力を深化させていくと強調しました。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)