台湾の国防部(防衛省)は、予算審議の遅れが続いた場合、軍備調達で他国に先を越され、納入までに長い時間を要する恐れがあるとして、早期の審議を呼びかけました。
最大野党・国民党と第二野党・台湾民衆党が、総額1兆2,500億台湾元(日本円約6兆2,700億円)に上る国防特別条例について、具体的な調達リストが示されていないとして「白紙委任だ」と批判しています。これについて、国防部の徐斯儉・副部長(副大臣)は15日、その条例が成立しても、特別予算は国会の審査を経る必要があり、「ブラックボックスでも白紙委任でもない」と強調しました。
また、装備調達の情報公開については、台湾の「国家安全機密保護法」や、アメリカによる対台湾安全保障支援の規定に基づき、アメリカ政府が対外的に公表した後でなければ、個別案件の内容を公開できないと説明しました。
一方、立法院(国会)で今年度の中央政府総予算と国防特別条例の審議が進んでいないことについて、国防部戦略計画司(局)の黄文啓・司長(局長)は、今回の特別条例は、中国軍による威圧行為の常態化や全面侵攻の脅威への対応に加え、科学技術の革新などの影響も考慮に入れる必要があり、過去よりも計画が複雑だと指摘しました。
国防部では、装備の入手可能性や国産化、海外からの調達の可否、供給国の意向や生産能力を繰り返し検証し、予算内で実行できると確認した案件のみを計画に盛り込んでいると説明しました。
黄・司長は、これまでの軍備調達案件がすでに納入と支払いのピークに入りつつあり、とりわけ無人機システムが重要だとしながらも、たとえ国防予算が成立しても、すぐに実行できるわけではなく、立法院での審議が遅れれば、アメリカ側とのLetter of Offer and Acceptance (LOA、発注書・受諾書)の締結や、その後のスケジュールに影響が出ると指摘しました。
世界各国が同時に国防費を拡大する中、契約が遅れれば、同型の装備を調達する他国に注文が先に入る可能性があり、納入の遅れは「日や月単位ではなく、年単位になる恐れがある」と警告しました。
黄・司長は、「世界の多くの国が今後数年で大量に武器を調達する。私たちと同じ型式の装備も多く、契約が1日遅れただけでも、他国の注文が割り込めば、待つのは数年になる可能性がある」と述べました。
さらに黄・司長は、国防部は特別条例を通じて国内産業を育成し、地域に根ざした生産能力と「ノンレッド・サプライチェーン」を構築したい。国防部が牽引役となって国防の自主性を高めたいとして、立法院に対し、予算審議を早急に進めるよう重ねて求めました。
(編集:王淑卿/呂学臨/本村大資)