台湾の国家通信社・中央通信社は15日の報道で、アメリカ連邦議会下院が14日、台湾に対し、3億米ドル(約475億円)の対外軍事融資(Foreign Military Financing/FMF)を供与するほか、20億米ドル(約 3,160億円)の融資および融資保証を提供する法案を可決した。これは、台湾海峡における抑止力の強化を目的としたものであると発表しました。また同法案は、アメリカの国務長官が海外援助を配分する際、援助受け入れ国が国連における台湾のオブザーバー資格に対する支持度を考慮するよう求める内容も明記しています。
アメリカ連邦議会下院は14日、「2026会計年度 金融サービス・一般政府・国家安全保障・国務省および関連プログラム歳出法案」を賛成341票、反対79票で可決。
これを受け、下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)」は15日、ニュースリリースを発表し、同法案に盛り込まれたインド太平洋地域に関する内容を公表しました。
同特別委員会は、同法案が台湾向けに3億米ドルの「対外軍事融資」を提供し、台湾海峡における抑止力の強化を図ると指摘。また、同様の目的のため、最大20億米ドルの融資および融資保証を提供することも盛り込まれていると発表しました。
「対外軍事融資」は、アメリカ国務省が所管する計画で、アメリカが提供する援助資金を通じ、同盟国や友好国がアメリカの軍備、サービス、訓練を取得できるようにするものです。アメリカのAP通信は、対外軍事融資は通常、主権国家を対象としていると報じており、2023年には、バイデン政権が同計画に基づき、初めて台湾に対して8,000万米ドル(約126億5000万円)相当の軍備供与を承認していました。
また、同法案は、国務長官が海外援助の配分を決定する際、当該国の国連に対する投票記録や、台湾のオブザーバー資格取得に対する支持状況を考慮するよう求めています。さらに、アメリカの対台湾窓口機関「アメリカ在台協会(AIT)」に対して3,590万米ドル(約56億7700万円)を拠出するほか、フィリピンに対して1億米ドル(約158億2000万円)の対外軍事融資を提供することも盛り込まれています。
中国への対抗策として、同法案は「中国の影響対策基金(Countering PRC Influence Fund/CPIF」に4億米ドル(約633億円)を拠出し、中国共産党による悪意ある行動に対抗するほか、アメリカのインド太平洋地域における国家安全保障上の利益を支援するため、18億米ドル(約2,847億円)を提供し、中国がもたらす悪影響に対抗すると規定しています。
また、アメリカが、多国間開発銀行が中国への融資に反対するだけでなく、中国が多国間開発銀行における持ち株比率を引き上げることに反対することを求めるとともに、国務省と軍事関連部門の協力を促進し、国家安全保障に脅威をもたらす外国人材プログラムに対抗する措置を講じるよう規定しています。
下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」のジョン・ムーレナー(John Moolenaar)委員長は声明を通じて、過去1か月間、台湾の自由な市民がサイバー攻撃や中国軍による侵略的な軍事演習に耐えてきたと指摘。今回の立法により台湾への支援が一層拡大され、台湾自身の防衛能力への投資を支援するとともに、先月トランプ政権が実現した歴史的な武器売却を強化することができると述べました。ムーレナー委員長はさらに、アメリカは、2027年もしくはそれ以降に発生する可能性があるとされる台湾と中国間の衝突を抑止するため、台湾への武器供与を緊急に行う必要があると強調しました。
アメリカの法案は、下院と上院で同一内容の議決を得た後、アメリカ大統領が署名して初めて成立します。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)