香港のネットメディア「壹傳媒(Next Digital)グループ」の創業者、黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏が9日、香港高等法院(裁判所)により国家安全法に基づき懲役20年の重刑判決を言い渡されました。頼清徳・総統は10日、SNSのフェイスブックおよびX(旧ツイッター)に投稿し、ジミー・ライ氏への声援を表明するとともに、台湾はジミー・ライ氏および自由を守るすべての人々と共にあると強調しました。また、北京当局に対し、ジミー・ライ氏を直ちに釈放し、司法を装った政治的迫害を停止するよう求めるとともに、国際社会に対して権威主義の拡大が普遍的な人権に及ぼす影響への警戒を呼びかけました。
頼・総統は投稿の中で、ジミー・ライ氏が重刑判決を受けたことは、北京が主張してきた「一国二制度」がすでに形骸化していることを改めて示すものだと指摘しました。さらに、司法は身体の自由を奪い、言論および報道の自由を抑圧し、人民が為政者に責任を問う権利を否定する道具へと堕していると述べました。
頼・総統は、ジミー・ライ氏が長年にわたり自由と民主主義のために声を上げ続けてきたにもかかわらず、その結果として5年以上の身柄拘束と約2年に及ぶ裁判を強いられてきたことは、中国当局が「中英共同声明」を反故にし、萎縮効果を生み出そうとしていることを明確に示していると指摘しました。また、これは国際社会が支持する普遍的価値に対する重大な脅威であると強調しました。
頼・総統は、香港の経験は痛切な警鐘であり、台湾の民主と自由が決して当然のものではないことを改めて示していると述べました。
さらに、台湾は今後も民主的価値を断固として守り、国際的なパートナーと肩を並べ、苦労して築き上げてきた自由な生活様式を共に守っていくと強調しました。
一方、外交部(外務省)は10日、中国政府および香港政府の今回の判決は国際人権規範に違反し、人民が統治者に責任を問う基本的権利を否定するものだと指摘、国際社会に対し、香港の民主主義、自由および人権への継続的な関心を呼びかけるとともに、台湾も引き続き友好国、同盟国と緊密に協力し、自由と民主主義の防衛線を共に守っていくと表明しました。
これに先立ち、台湾の対中国大陸政策を担う「大陸委員会(略称:陸委会)」の邱垂正・主任委員は9日、ジミー・ライ氏が重刑判決を受けたことについて、中国共産党が国家安全を名目に自由と人権を抑圧し、政治的迫害を行っているとして強く非難しました。また、国際社会に対し、中国共産党がロングアーム管轄権や越境弾圧を加速させていることに警戒を強めるよう呼びかけました。
邱・主任委員は動画を通じて、ジミー・ライ氏への重刑判決は、身体の自由を奪い、報道の自由を踏みにじるだけでなく、人民が統治者に責任を問う基本的権利を否定するものだと指摘しました。本件は、中国共産党が掲げるいわゆる「一国二制度」の下で、香港基本法が約束した自由の権利が空文化していること、そして香港の司法が政治的な清算の道具へと転落していることを改めて裏付けるものだと述べました。
邱・主任委員は、「大陸委員会は、国民に対し、香港の痛切な経験を教訓として、台湾が苦労して勝ち取った自由で民主的な生活様式を守るよう呼びかけているとともに、国際社会に対しても、中国共産党による自由と人権の侵食に対し警戒を高め、自由と民主主義の防衛線を共に守ることを求める」と強調しました。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)