台湾の国家通信社・中央社の3月5日付の報道によりますと、外交部(外務省)の林佳龍・部長(大臣)はこのほど、日本の英字新聞「ジャパンタイムズ(The Japan Times)」の単独インタビューに応じ、中国の侵略を抑止するためには、台湾を既存の地域安全保障の枠組みに組み込み、アメリカ主導のより強力な防衛体制を構築することが極めて重要であるとの認識を示し、同紙は4日、林・部長のインタビュー記事を掲載したということです。
林・部長は、中国が太平洋まで影響力を拡大しようとする試みを効果的に抑止するためには、「台湾をインド太平洋の安全保障枠組みに、より包括的に組み込むことが最も重要である」と述べ、特に「第一列島線」沿いのパートナー諸国との連携の必要性を訴えました。
アメリカは長年、この地域の数カ国と二国間安全保障条約を締結してきましたが、中国の急速な台頭や領土・海洋紛争の激化といった新たな課題に直面しています。これにより、共通の安全保障上の懸念に対応するため、アメリカ主導で複数の国々がグループを形成するミニラテラリズムが台頭しています。しかし、これらのメカニズムには台湾が含まれていません。
林・部長は「第一列島線にいかなる安全保障上の空白も存在させてはならないが、現在の台湾こそが、その欠落した一環である」と指摘。日本やフィリピン、その他のパートナー諸国に対し、情報共有、共同演習、防衛産業協力、データ連携、そして中国のグレーゾーン行動などのハイブリッド脅威への対応において、協力を強化するよう呼びかけました。
また、インタビューでもう一つ重要な協力分野として、中国による台湾への隔離や封鎖、さらには軍事侵略が発生した際を想定した広範な調整を含む「コンティンジェンシー・プラン(緊急事態対応計画)」が取り上げられました。
林・部長は、調整と共同対応の強化の必要性を強調し、「もし不測の事態が発生すれば、アメリカインド太平洋軍が対応行動を主導できるが、台湾や韓国、日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなどの各国も、何をすべきか、どのような役割を果たせるかを把握しておく必要がある」と語りました。
さらに林・部長は、「責任分担」と侵略に対する共同の「抑止力」の重要性を強調。「第一列島線の国々が軍事同盟を結成すべきだとか、北大西洋条約機構(NATO)のような仕組みが必要だと言っているのではないが、危機の際に各国の役割を分担し、調整することだ」と説明しました。
林・部長は、台湾が欠ければ、いかなる地域安全保障網にも巨大な穴が開くことになると指摘。「中国による現状変更の試みを抑止する」ため、多様な形態の交流を深め、協力を強化する必要があると重ねて強調しました。
こうした台湾の地域パートナーへの呼びかけは、アメリカの最新の「国家防衛戦略(NDS)」および「国家安全保障戦略(NSS)」とも高い一致を見せています。
近隣諸国と台湾の間に正式な外交関係がない中で、いかにして広範な安全保障協力を進めるのかという問いに対し、林・部長は、1979年以降のアメリカと台湾との関係のあり方を定めたアメリカの国内法「台湾関係法」と「6つの保証」に基づいた台米の安全保障コミットメントが、非公式な関係を規定する優れた先例であると述べました。
林・部長は「我々はすでに日本、フィリピン、およびその他の第一列島線の国々と対話を行っている」とした上で、「平時にこそ対話、さらには共同演習が必要であり、それがあって初めて不測の事態において真に連携した行動が取れる」と述べました。
また、対話には武器の統合や防衛産業協力といった議題も含まれ得るとし、アメリカ主導の「インド太平洋産業強靭性・パートナーシップ」や「台湾安全保障協力イニシアチブ」などの枠組みを通じた協力の可能性にも言及しました。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)