中国‧北京で4日と5日の2日間、中国人民政治協商会議(政協)第14期全国委員会第4回会議および第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議のいわゆる「両会」が開かれました。中国の王毅‧外交部長が両会の記者会見で、「カイロ宣言」などの歴史文書を歪曲する発言をしたことに対し、台湾の対中国政策を担う大陸委員会(略称:陸委会)の沈有忠・副主任委員は9日、中国共産党に対し大国としての度量と見識を示し、「中華民国はこれまで一度も消滅したことはない」、「中華民国は今なお存在している」という2つの事実を直視するよう呼びかけました。
沈・副主任委員は9日、台湾のシンクタンク「財団法人国策研究院文教基金会」が主催した「中国両会」座談会に出席した際、中国は「人類運命共同体」や「世界市場」といった外交上のレトリックを繰り返し用いて体裁を取り繕っているが、実際には権威主義国家と連携し権威主義の拡張を推し進めていると指摘。また、インド太平洋地域におけるトラブルメーカーであり、平和を脅かす脅威の源となっていると述べました。
沈・副主任委員は、中国は今年(2026年)、周辺諸国やヨーロッパに重点を置く可能性がある。一方では「グローバルサウス」と「一帯一路」の強化を図り、他方では経済を手段として世界のサプライチェーンを中国市場に取り込もうとしていると語りました。
沈・副主任委員は、「中国は中東問題やアメリカへの呼びかけの中で、一方的な行動や威圧に反対すると述べているが、私たち大陸委員会として特に強調したいのは、現在中国がインド太平洋地域、とりわけ台湾海峡で行っていることこそが、まさに一方的な行動であり、威圧ではないかということだ。したがって、中国は台湾の民主的な選挙によって選ばれた政府との対話を一切拒否し、外交面で全面的な封鎖や圧力を加えている」と話しています。
沈・副主任委員はまた、中国の王毅・外交部長が再び「カイロ宣言」などの第二次世界大戦に関する歴史文書や国連総会第2758号決議(アルバニア決議)を歪曲していると指摘した上で、歴史的事実として、第二次世界大戦終結後の国際秩序はほぼ中華民国が参画し構築に関わったものであり、中華民国は台湾において今日に至るまで揺るぎなく存在し、民主的政治と経済発展はますます力強く成長していると述べました。
沈・副主任委員はさらに、「中国が大国としての振る舞いを行う際には、大国としての度量と見識をもって2つの事実を直視するよう提言したい。1つ目は歴史的事実であり、中華民国はこれまで一度も消滅したことはなく、今なお台湾において揺るぎなく存在しているということだ。2つ目は、北京に対し客観的な現実を直視するよう呼びかけたい。すなわち、中華民国は今なお存在しているということである」と強調しました。
また、王毅氏の台湾に関する発言に対し、外交部(外務省)は8日、ニュースリリースを通じて、「林佳龍‧外交部長(大臣)は中華民国台湾は一貫して主権独立国家であり、中華人民共和国と互いに隷属しないと改めて強調した。歴史的事実、客観的現実、そして国際法のいずれに基づいても、台湾の主権は中華人民共和国に属したことはなく、台湾の将来を決める権利を有するのは台湾の2,300万の人々のみであり、この事実に中国が口を挟む余地はないと述べた」と発表しています。
(編集:許芳瑋/豊田楓蓮/本村大資)