東日本大震災の発生から今年(2026年)で15年が経過しましたが、福島県をはじめとした被災地は今も復興の道を歩み続けています。しかし同時に、当時支援の手を差し伸べてくれた台湾への感謝の気持ちは決して冷めることはありません。
台湾北部・台北市の中山堂では4月2日、福島青年管弦楽団と台北愛楽少年楽団(Taipei Philharmonic Youth Ensemble)による合同コンサート「福島の声(Fukushima Echoes)」が開催され、時間と距離を超えた友情が再び感動的なメロディとなって人々の心を温め、盛況のうちに幕を閉じました。
イギリスの指揮者パノス・カラン(Panos Karan)氏率いる福島青年管弦楽団は、東日本大震災の後に、福島の地で生まれた青年オーケストラです。同楽団は今回、台北愛楽少年楽団と共演し、震災後の復興の物語を音楽を通して伝えるとともに、台湾への深い感謝の気持ちを表現、当日の演奏は会場を深い感動の渦に包み込みました。さらに、同楽団がコンサートのチケット収益の一部を「花蓮メノナイト病院医療基金」に寄付し、2024年4月に台湾東部で発生した花蓮地震の復興と地域医療の支援に活用することで、善意が広がり続ける仕組みとなっています。
メノナイト医療財団法人の頼史忠・董事長と特別補佐の賈漢生氏がコンサートに出席し、福島青年管弦楽団、財団法人台北愛楽文化教育基金会、台北市中山堂管理所に感謝状を贈呈し、心からの感謝の気持ちを表しました。頼・董事長は、「福島からの温かい支援は、共に困難を乗り越えてきた台日間の深い友情の象徴であるとともに、地域医療に貴重で持続的な力をもたらしている」と述べました。
特に注目されたのが、頼・董事長が、英語で直筆の感謝状を作成し、遠路から訪れた福島青年管弦楽団に贈ったことです。感謝状の中で頼・董事長は、2011年の福島原発事故や、花蓮が経験した地震や水害などの重大な災害を振り返りつつ、この夜、人々は最も美しい共通の言語である「音楽」を通じて、神が創造したこの世界への感謝を表し日々の大切さを改めて思い出させてくれるものだと綴りました。さらに、音楽によって結ばれたこの感情が、世界中のより多くの人々に共鳴し、共に大切な故郷である地球を守る契機となることを願っていると記しました。
頼・董事長は、メノナイト病院が花蓮で78年間にわたり地域医療に尽力してきたことを強調。長年にわたり、辺境地域の医療や社会的弱者への支援、高齢者の長期ケアサービスに取り組み、山間地域や沿岸地域に医療資源を届け、助けを必要とするすべての人々を守ってきたとし、「これまで歩んできた道のりは、社会各界からの支持と寄り添いがあったからこそ、資源が限られた環境の中でも着実に前進することができた」と述べています。
頼・董事長はまた、福島青年管弦楽団が音楽を通して愛を伝えるという善意の行動に特別な感謝を示し、国境を越えた思いやりが、今この瞬間に最も温かく具体的な形で実践されている。今後も花蓮メノナイト病院は初心を忘れず、この遠方からの祝福を地域を守る力へと変え、より多くの家庭が人生の大切な節目を共に歩むことができるよう支援していくと強調しました。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)
メノナイト医療財団法人の頼史忠・董事長(右から2番目)がコンサートに出席し、福島青年管弦楽団、財団法人台北愛楽文化教育基金会、台北市中山堂管理所に感謝状を贈呈。遠く日本から来訪した福島青年管弦楽団などの参加団体に敬意を表した。