最大野党・国民党の鄭麗文・主席が7日から代表団を率いて中国を訪問しています。10日には中国共産党中央委員会総書記の習近平氏と会談を行う予定です。国家安全局(国安局)の蔡明彦・局長は8日午前、立法院(国会)でインタビューを受けた際、中国共産党が「融和と圧力」を併用する手法を継続して用い、台湾内部の分断を図ろうとしていると指摘。そのようなことから、台湾側としては、台湾海峡両岸のいかなる交流活動についても注意を払う必要があると述べました。
蔡・局長は、中国共産党がグレーゾーンでの嫌がらせなどの手法で戦争の危機感を煽る雰囲気を作り出している一方で、他方では、様々な両岸交流活動を通じて中国共産党主導の「平和の配当」を推進していると指摘。そして、その背後にある目的は、台湾内部の「親中路線」の声を高めることに加え、「台湾とアメリカの協力関係」の分断を試みるものでもあるとの見方を示しました。
蔡・局長は、「この様な交流活動を通じて両岸間で『平和的統一』を支持する一定の声があることを印象付け、それにより台湾海峡情勢や台湾海峡問題に関連するアメリカの影響力と発言力を弱めることを目的としている。したがって、中国共産党が打ち出す両岸交流活動の背後には、依然として政治的な思惑と統一戦線的な操作目的と手法が潜んでいる可能性がある」と注意を促しました。
一方、鄭・主席の訪中を受け、台湾の対中国大陸政策を担う、大陸委員会(略称:陸委会)の邱垂正・主任委員は7日夕方、動画を通じて政府の立場を改めて表明。中国との交流の機会を得るために、国家の主権と尊厳を損ない、国益を売り渡し、台湾の自由で民主的な制度を踏みにじるような行動をとることに断固として反対するとの姿勢を示しました。
そして、台湾海峡両岸は、対等な尊厳と相互尊重、そしていかなる政治的前提も設けずに初めて、正常で健全かつ秩序ある交流を行うことができると述べました。
邱・主任委員はさらに、政党間の交流は政府間の公式な制度に取って代わるものではないと強調。公権力に関わる事柄については、双方の政府が実務的な意思疎通と対話を行ってこそ、国民の福祉を真に保障することができると指摘し、「中国共産党当局に警告する。台湾の民主的な選挙によって選ばれた合法な政府と意思疎通を図ることでのみ、両岸関係の健全な発展につながる」と述べました。
邱・主任委員はまた、鄭・主席に対し、中華民国の存在を否定する「一つの中国」の枠組みの罠を断固として拒否しなければならないと警告。北京当局による、中華民国を消滅させようとする言説や政治的主張に屈して同調してはならず、ましてや中国共産党が国際社会に向けて台湾を傷つける誤ったメッセージを発信することに加担してはならないと注意を促しました。
邱・主任委員は、中国に赴いての交流においては「両岸人民関係条例」および関連する規定を厳格に順守しなければならないと述べ、政府の許可なく、いかなる政治的合意や政府の公権力にかかわる事項に関する協議にも署名してはならず、「法的レッドラインは絶対に超えてはならない」と強調しました。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)