台湾の最大野党・中国国民党の鄭麗文・主席が中国訪問の日程を終え、きょう12日午後、帰国しました。それに先立ち、中国共産党中央委員会台湾事務弁公室はきょう午前、台湾に関する複数の政策と措置を発表しました。
内容には、上海市および福建省の住民による台湾への個人旅行の再開を試験的に進めることや、台湾海峡両岸間の定期航空便の正常化を全面的に推進することなどが含まれています。
国民党主席の中国訪問について、台湾の対中国大陸政策を担う、行政院大陸委員会の沈有忠・副主任委員は先ごろ、台湾の報道陣のインタビューに対し、これまでに、「北京が打ち出す「恵台政策(台湾の企業、個人、および若者を対象とする経済的・文化的な優遇措置)」は、いずれも中国共産党が状況に応じて自在に使い分けられる統一戦線の手段だ」と指摘しています。
沈・副主任委員は11日にも、農業や観光分野で打ち出される可能性のある優遇措置について、「いずれも統戦のツールに過ぎない」との見方を示しました。
今回、中国側は国営メディア新華社を通じて、10項目の対台湾措置を発表しました。学者の間では、こうした動きについて、「政治的な迂回手段によって台湾の中国に対する依存関係を再構築しようとする狙いがある」との分析も出ています。
発表された内容の中には、中国共産党と国民党の関係強化を図るものとして、両党間の常態的な意思疎通メカニズムの構築や、台湾の青年への統一戦線工作を強化する両党の青年交流の制度化プラットフォームの設置などが含まれています。
一方で、両岸間の航空便の全面正常化や、福建省沿岸部と台湾の離島・金門、馬祖を結ぶ水道、電力、ガス、さらには橋の接続といった構想については、台湾側との協議が不可欠であり、実現性には不透明な点もあると指摘されています。
中国側は、「両岸関係の平和的発展を促進し、人々の福祉を増進するため」として、以下の10項目を発表しました。
1つ目は、中国共産党と国民党の間で、「92年コンセンサス」と「台湾独立への反対」を基礎とし、平和、発展、交流、協力を望む台湾海峡両岸の人々の願いに応え、常態的な意思疎通の仕組みを模索すること。
2つ目は、両党の青年組織による定期的な交流を制度化すること。中国の人民団体である「中華全国青年聯合会」と「国民党青年事務発展委員会」が定期的に台湾海峡両岸の青年を対象とする交流活動を行い、「中華全国青年聯合会」などの中国の関連機関が毎年、台湾の20の青年団体による中国大陸への訪問、交流活動参加を招請すること。
3つ目は、条件が整えば、中国の福建省沿岸部と台湾の離島・金門、馬祖の間で、水・電力・ガス・交通インフラの接続を推進すること。
4つ目は、台湾海峡両岸の航空旅客輸送の正常化を全面的に進め、ウルムチや西安、ハルビン、昆明、蘭州などとの直行便の再開を支援すること、さらに金門が厦門の新空港を共同利用することへの支持です。
5つ目は、「92年コンセンサス」と「台湾独立への反対」ということを基盤に意思疎通のメカニズムを構築し、台湾の農水産物について、検疫基準を満たした場合の中国本土への輸入を促進し、台湾の農水産物による中国大陸での展示即売会やマッチング商談会への参加を支持すること。
6つ目は、台湾の遠洋漁業に関する受け入れ制度を整備し、寄港や水揚げの利便性を高め、台湾の遠洋漁船が捕獲したものを中国大陸で販売する際の利便性を高めること。
7つ目は、基準を満たした台湾の食品企業の中国本土での登録や輸入手続きを簡素化すること。
8つ目は、小規模貿易市場の新設を検討し、台湾の中小企業の市場参入を支援することです。
9つ目は、台湾のテレビドラマやドキュメンタリーなどの放送を認め、映像文化交流を促進すること。
そして10項目目は、上海市および福建省の住民による台湾への個人旅行の再開を試験的に進めることです。
(編集:王淑卿)