最大野党・国民党の鄭麗文・主席が12日に中国訪問を終えて帰国直前、中国共産党中央委員会台湾事務弁公室は、農水産物の販売、食品企業の登録、一部の定期便の再開、観光客の台湾への個人旅行の解禁などを含む、台湾に対する10項目の優遇措置を発表しました。
これに対し、行政院(内閣)の卓栄泰・院長(首相)は14日、立法院(国会)での答弁において、中国の台湾に対する10項目の優遇措置の多くは過去にも議論されたものだが、「開始と停止」が繰り返されており安定性に欠けると述べ、中国が農水産物の輸入や文化、映像、音楽産業を「92年コンセンサス」や「台湾独立反対」といった政治的前提条件と結びつけていることに疑問を呈しました。
台湾海峡両岸の観光交流について、卓・院長は、中国側が上海および福建省の住民による台湾への個人旅行の再開を提案したことは、過去にも前例があったが、2019年に突如中止されるなど政策が二転三転していると指摘。政府は台湾側の「台湾海峡両岸観光旅遊協会(台旅会)」と中国側の「海峡両岸旅遊交流協会(海旅会)」の事務レベル協議を通じて先に協議するなど、既存のメカニズムを通じた継続的な意思疎通を支持しているが、すべての交流は「健康的で秩序ある、対等かつ尊厳のある、政治的前提を設けない」という原則に基づいて行われるべきだと強調しました。
また、中国共産党が発表した10項目の優遇措置について、台湾の対中国大陸政策を担う大陸委員会(陸委会)の邱垂正・主任委員は14日、これらはいわば「大きな贈り物」に見せかけた「甘い罠」であり、本質は「養套殺(育て、依存させ、殺す)」ことにあると述べました。この10項目は一見、優遇措置のように見えるが、実際には台湾を混乱させるための措置であるとの見解を示しました。
邱・主任委員は、中国共産党による過去の貿易開放策も全域を対象としたものではなく、特定の自治体や特定の農場、包装工場を対象としたものだったと指摘。こうした統一戦線工作はすでに台湾内部へピンポイントで行われており、農家全体に損害を与え、さらには選挙介入の疑いもあると述べました。
さらに邱・主任委員は、最近、中国共産党は台湾の中国に対する経済的依存を「武器化」し、台湾に対して政治的なゆすりを行っていると批判。特に政治的に協力しなかったり、政策面でも対立したりすると、相手は強硬な手段に出る段階へと移っていく。例えば観光客については、2019年7月31日午後に『両岸情勢に基づく』と発表し、翌8月1日には突然台湾への個人旅行を断絶した。これにより、多くの業者が投資を回収できず、訴える場もなく泣き寝入りすることになったと振り返りました。
そのため、邱・主任委員は、中国側が本当に誠意を持って台湾海峡両岸の正常で健康的かつ秩序ある交流を推進しようとするならば、過去に構築された政府間の連絡メカニズムを速やかに回復すべきだと強調しました。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)