最大野党・国民党の鄭麗文・主席が12日、「平和の旅」と称した中国訪問を終えるタイミングで、中国共産党中央委員会台湾工作弁公室が台湾に対する10項目の優遇措置を発表し、各方面から疑問の声が上がっています。
鄭・主席は15日、ラジオ番組のインタビューを受けた際、再度、訪中の成果について述べ、「92年コンセンサス」は恐れるべきものではなく、台湾に平和と利益をもたらすだけであると強調。また、中国共産党総書記の習近平氏との会談についても触れ、習氏があらゆる政治スローガンやレッテルを取り払ったと感じたと語り、中国の近年の発展はすでに想像を超えており、まさか台湾の人たちはそんなに出し惜しみし、中国の大きな成果に対して適切な評価や称賛を与えないのか?と問いかけました。
鄭・主席はそして、与党・民進党に対し、「反核、台湾独立」という2つの大きな看板を下ろすよう呼びかけました。
鄭・主席は、「陳水扁・元総統から、蔡英文・前総統、そして現在の頼清徳・総統に至るまで、あなたたちは公の場で何度も『台湾独立の問題など存在しない』と述べてきた。しかし、もし台湾独立の問題が存在しないのなら、台湾独立を掲げる党の綱領の問題も存在しないはずだ。それなら、その台湾独立綱領を撤廃すればいいだけだ。なんの損失があると言うのか?『92年コンセンサス』は決して恐れるものではなく、平和をもたらすだけであり、台湾に何の損傷も与えず、利益をもたらすだけである」と述べました。
これについて、民進党の立法院(国会)党団の范雲・書記長は15日、立法院でインタビューを受けた際、鄭氏は嘘ばかり並びたて、すでに自身は中国人であり、台湾人ではないと考えていると指摘。鄭氏は台湾の農水産品が政治的な理由で中国からいつでもどこでも輸入禁止されていることを見ようともせず、また中国人がいかにして台湾人の利益や安全を損ない、台湾人を安全が脅かされる恐怖の中で生活させていることも見えていないと反論しました。
范・書記長はまた、鄭氏の今回の訪中は、台湾を「一つの中国」の枠に位置付けるものであり、国際社会に対し、台湾にとって非常に不利なメッセージを送ったと強調。さらに、鄭氏の訪中前後に関わらず、中国の軍用機や戦艦が台湾に対して絶え間なく嫌がらせや軍事演習をしている。全くもって平和のメッセージが見られない。台湾の人々は「92年コンセンサス」を支持しておらず、鄭氏の訪中での言動は台湾の主流民意を代表するものではないと述べました。
このほか、鄭・主席が6月にアメリカを訪問するという噂もあります。
これについて范・書記長は、台湾の自衛能力強化への支持はアメリカの党派の枠を超えた期待である。もし鄭氏が本当に訪米を望むのであったとしても、台湾の防衛能力強化を支持しない状況下では、おそらく訪米してもいい結果は得られないだろうと指摘しました。
范・書記長はまた、中央政府総予算案の審議がいまだ行われていないことは前代未聞である。鄭氏はすでに中国から帰ってきた今、国防特別予算条例を阻む理由がないはずだと述べ、国民党は早急に中央政府総予算および国防特別予算条例を可決するよう呼びかけ、非対称戦力を強化することこそが、あらゆる平等で健全、かつ持続可能な対話と交流の前提条件であると強調しました。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)