立法院(国会)は8日、「国家安全防衛および非対称戦力強化計画の調達に関する特別条例案」の採決を行い、最終的に野党・国民党と台湾民衆党が共同で提案した総額7800億台湾元(日本円約3兆8900億円)の案を可決しました。
このうち、第一弾のアメリカからの武器購入予算の上限は3000億元(約1兆5000億円)で、第二弾の上限は4800億元(約2兆4000億円)とされ、購入品目も明記されました。
行政院(内閣)は、同条例の可決後、1か月以内に特別報告書を提出し、立法院の同意を得たうえで予算案の編成に着手できます。また、予算案は2か月以内に立法院に提出され、審議を受けることとなります。
行政院は昨年(2025年)11月に、8年間で総額1兆2500億元(約6兆2400億円)の国防特別予算条例を可決し、立法院に送付して審議を求めていました。その後、台湾民衆党団が4000億元(約2兆円)案を提出、国民党団は「3800億元(約1兆9000億円)+N」という案を主張。委員会審議と与野党議員団協議を経ても、与野党は購入品目と予算額について意見が分かれたままであったため、8日の立法院本会議で表決が行われました。
立法院の外交および国防委員会の召集委員で、与党・民進党所属の陳冠廷・立法委員(国会議員)は、行政院版にはアメリカからの武器購入、商業調達、委託製造などの項目が含まれているが、野党の修正案にはアメリカからの武器購入のみしか含まれておらず、仮に台湾が封鎖された場合、国内生産能力の不足により、戦闘能力を維持できなくなる可能性があると懸念を示していました。
しかし、可決された7800億元の予算案は、行政院版と4700億元(約2兆3500億円)の差があり、民進党の李坤城・報道官は、野党が国防部(防衛省)や行政機関による度重なる説明を最後まで無視し、アメリカや国際社会からの警告にも耳を貸さなかったことは極めて遺憾であると述べました。また、この結果は台湾の防衛力を制限するだけでなく、さらには将来の国防安全保障に突破口を生み出してしまう可能性もあると指摘しました。
一方、国民党の牛煦庭・立法委員は、アメリカ側との協議過程において、国民党が一貫して堅持してきた前提は、アメリカ側からの武器売却に関する正式な引合受諾書(LOA=Letter of Offer and Acceptance)の提示であると指摘。立法院での後続の審議および承認手続きを円滑に進めるため、アメリカ側が第二弾のLOAを速やかに承認することを望んでいると述べ、こうした主張はアメリカ側からも尊重と理解を得られているとしています。
三読会で可決された条文では、調達予算を1年ごとに編成する方式とすることが明記されており、期間満了後、次期予算およびスケジュールについては立法院の同意を得たうえで、段階的に予算編成および審議を行うとしています。
本条例の施行期間は、公布日から2033年12月31日まで。本条例およびその特別予算について、施行期間が満了しても未執行となっている部分については、必要に応じて立法院の同意を得た上で延長することができます。
(編集:中野理絵/豊田楓蓮/本村大資)