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国防特別予算条例可決も課題残る 頼・総統:予算が執行できない恐れ

11/05/2026 17:40
編集: 呂 学臨
頼清徳・総統は、立法院で可決された野党版の国防特別予算条例について、審議に新たな関門が設けられたことで予算の執行が滞る可能性があると指摘しました。(写真:総統府)
頼清徳・総統は、立法院で可決された野党版の国防特別予算条例について、審議に新たな関門が設けられたことで予算の執行が滞る可能性があると指摘しました。(写真:総統府)

立法院(国会)は8日、野党・国民党と台湾民衆党が共同で提出した総額7,800億台湾元(約39000億円)に上る国防特別予算条例を三読会で可決。これに対し、頼清徳・総統は9日のインタビューで、7,800億元ではアメリカからの武器調達だけでも不十分であるとした上で、今回の特別条例の審議には新たな関門が設けられており、予算が「成立しても実際には執行できない」状況になる恐れがあるとの懸念を表明しました。

頼・総統はインタビューの中で、国防特別予算条例が立法院第三読会で可決されたことは、容易ではない第一歩を踏み出したと言えるものの、完全な解決策ではないとの認識を示しました。通常は条例の可決後に行政院(内閣)が法に基づき予算を編成できますが、今回は従来の慣例とは異なり、立法院が行政院に対し、改めて立法院での報告を求めています。頼・総統は、これが実質的に新たな関門となっており、予算が「成立しても実際には執行できない」状況を招きかねないと指摘しました。

また、頼・総統は、行政院が当初提出した案の総額は12,500億元(約62500億円)であったものの、最終的に可決された案では4,700億元(約23500億円)が削減され、7,800億元(約39000億円)にとどまったと指摘。これにより、アメリカからの軍備調達予算さえ不足する可能性があり、商用調達や委託業務、台湾の国防産業推進といった関連項目はなおさら困難になるとの見方を示しました。

頼・総統は、当初計画されていた各国防予算は互いに密接に関連しており、一つとして欠かすことはできないと強調。これにはアメリカからの軍事調達、多国間の国防技術協力、スタートアップ企業との商用調達協力、そして台湾における国防科学技術の研究開発のための機関「国家中山科学研究院(中科院、NCSIST)」への関連計画の委託などが含まれます。頼・総統は一例として、軍事調達項目の一つである高機動ロケット砲システム「ハイマース(HIMARS)」が531日までに支払期限を迎えることを挙げました。現在の法的手続きによれば、行政院は1カ月以内に立法院で報告を行い、同意を得てからでなければ予算を編成できないため、その後、予算が順調に可決されるかどうか不確定要素が残る中、支払い期限に間に合わない恐れがあり、その影響は非常に大きいとの懸念を示しました。

頼・総統は、与野党に対し、国家安全保障、社会の安定、および台湾の産業発展という観点から、改めて慎重に検討し、速やかに関連手続きを完了させるよう呼びかけました。また、政党間の競争は避けられないものの、国家は一つであり、国家安全保障にいかなる妥協の余地もないとして、与野党が共に努力し、台湾を守っていくことへの期待を寄せました。

立法院は8日、国防特別予算条例について、最終的に最大野党・国民党と第二野党・台湾民衆党が共同で提案した7,800億元の案を可決しました。これは行政院が編成した12,500億元の案を4,700億元下回る内容です。これを受け、アメリカホワイトハウスの高官が失望を表明し、承認されなかった予算についても確保されることを望んでいると伝えられています。

行政院の卓栄泰・院長(首相)は11日午前、「市民的及び政治的権利に関する国際規約・「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(両公約)第4回国家報告書国際審査(レビュー)会」の開幕式に出席する前、記者団の取材に応じ、ホワイトハウス高官の失望に関する見解や、今後改めて特別条例を提出するかについて質問を受けました。その際、卓・院長は「政府として必ず対応していく」と回答。そして、「補うべきは国家の安全と国防のニーズであり、予算そのものだけでない。また、回復させなければならないのは国民の自信と国際社会の台湾に対する信頼であり、この点において政府は必ず行動を起こす」と述べました。

さらに卓・院長は、行政院が提出した国防特別予算条例と国防特別予算は、全体的な計画とニーズに基づいた包括的な構想であったものの、最終的に内容が分断され「ばらばらな形」になったことで国防安全保障が大きな打撃を受けたと強調しました。卓・院長はその上で、台湾は国際社会とより緊密に協力する必要があると述べ、与野党に対して事実を直視するよう求めました。

(編集:呂学臨/豊田楓蓮/本村大資)

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