中国による国連総会第2758号決議(アルバニア決議)の歪曲をめぐり、行政院(内閣)の卓栄泰・院長(首相)は12日、「拳が大きい側が正義というわけではない」と述べました。また、外交部(外務省)は、台湾の国際組織への参加について、中国には口を挟む権利はないと強調しました。
第79回世界保健総会(WHA)は18日から23日まで、スイス・ジュネーブで開催されます。これを前に、欧州議会やチェコ上院、アメリカのマイク・ウォルツ国連大使などが相次いで、国連総会第2758号決議は「中華人民共和国政府」を中国の国連における唯一の合法代表と認めたものであり、台湾の政治的地位や、中国が台湾に対して主権を有するかどうかについては触れていないとの認識を示しています。
立法院(国会)では12日も施政方針に関する答弁が行われ、与党・民進党の林宜瑾・立法委員(国会議員)は、中国による国連総会第2758号決議の歪曲に対し、立法院がいまだ共同声明を出していないことについて懸念を表明しました。これは、台湾が国際社会と異なる立場を取っていると受け止められれば、台湾の人々がより大きなリスクを負うことになると指摘しました。
これに対し卓・行政院長は、「歴史的事実や真実は、誰の拳が大きいか、誰の声が大きいかで決まるものではない」と述べ、国会に対し、国家全体の立場に立ち、歴史に対して責任を持ち、次世代の保障につながる発言を期待すると促しました。さらに今後、韓国瑜・立法院長(国会議長)とも対話を重ね、行政・立法の両院が国家の安全保障と国益のために協力していきたいとの考えを示しました。
卓・行政院長は、「私と韓国瑜・立法院長との間では、メディアを通じて呼びかけ合うようなことはしたくない。私は普段から韓・院長と対話することができるし、今後も直接話し合っていく。私たち両院の院長は心を一つにして協力し、国家の安全保障と国益のために考えていくべきだと思っている。韓・院長にも、そのような国家にとって有益な対話を行っていただきたい」と述べました。
一方、中国の外交部が「一つの中国」原則を理由に台湾のWHA参加に反対していることについて、外交部は12日、厳重に抗議しました。また、中国が政治的理由で台湾の参加を妨害することは、人類全体の健康権を著しく損なうものであり、世界保健機関(WHO)が掲げる「誰一人取り残さない」という理念にも反すると批判するとともに、台湾の国際参加の権利について、中国には口を挟む権利はないと強調しました。
外交部国際組織司の張芝颯・副司長は、「中華民国台湾は国連および関連する多国間メカニズム、国際組織に参加する権利を有しており、中国には口を挟む権利も、妨害する権利もない」と述べ、中華民国台湾は主権独立国家であり、中華人民共和国とは隷属関係にない。これは国際社会に認められている台湾海峡の現状だと重ねて表明しました。
外交部はさらに、「台湾を代表できる唯一の合法政府は、台湾の人々によって選ばれた政府だけだ。この政府こそ、国際社会と多国間会議などで台湾の人々を代表することができる」と強調しました。また、国連総会第2758号決議およびWHA決議第25.1号には台湾についての言及はなく、台湾とは無関係であるため、台湾をWHOを含む国連システムやその他の多国間メカニズムから排除する根拠にはならないとしています。台湾を国際社会に参加させることこそ、「誰一人取り残さない」という理念の実現につながると訴えました。
(編集:王淑卿/呂学臨/本村大資)