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Rtiがポーランドとウクライナを訪問、LMFで「台湾セッション」初開催

14/05/2026 00:12
編集: 中野理繪
Rti訪問団とポーランド国営ラジオ局のパヴェウ・マイヘル(Paweł Majcher)局長(左から5番目)。(写真:Rti)
Rti訪問団とポーランド国営ラジオ局のパヴェウ・マイヘル(Paweł Majcher)局長(左から5番目)。(写真:Rti)

台湾国際放送の運営母体である中央放送局(Rti)の頼秀如・董事長は7日、訪問団を率い、ポーランドのワルシャワとウクライナを訪問。14日から16日にかけてウクライナのリヴィウで行われる「リヴィウ・メディアフォーラム(Lviv Media Forum;LMF)」の年次総会に参加します。これはRtiが初めて同フォーラムのプログラムに参加するだけでなく、同フォーラムのパートナーとなった初の台湾メディア機関でもあります。フォーラムではLMFと共同で「台湾特別セッション」を開催する予定で、重要な国際メディア協力とも言えます。

台湾の経験を東欧へ ポーランドとウクライナを訪問し、民主メディアの新協力へ

今年のLMFのテーマは「Reality Under Attack: Flight, Freeze, or Fight?(真実が攻撃されたとき:逃げるか、凍りつくか、それとも反撃するか?)」です。
長きにわたり権威主義による情報操作や認知戦に直面している台湾にとって、これは単なるフォーラムのテーマにとどまらず、数十年に渡り直面し続けている現実的な問題です。

Rtiの頼・董事長は、台湾とウクライナは同様に民主主義の最前線に立っていると指摘。形は異なるものの、本質的にはどちらも権威主義体制による情報浸透と関連している。今回の協力は、双方が共に手を携えて偽情報に対抗するための重要な起点であり、「公共メディア間の協力と経験の共有は、民主主義社会において互いに支えあうための重要な一環となっている」と指摘しています。

訪問団のメンバーは、頼・董事長、劉嘉偉・副総台長(副総局長)、Rtiアカデミーのメンバーのほか、日本の慶応大学国際研究センター(KGRI)共同研究員のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)氏、台湾戦略模擬学会の黄柏叡・研究員、台湾国防研究イニシアチブ共同創設者の温約瑟氏ら、異なる分野のメンバーが集まっており、多角的な視点を通じて、欧州社会に向け台湾の民主主義の防衛、情報の強靭性、国外からの認知戦への対抗において得た実践的な経験共有を目的としています。

ポーランド国営ラジオ局を訪問:戦時におけるメディアの公共責任

訪問団はワルシャワ到着後、8日は1925年に設立されたポーランド国営ラジオ局「ポルスキエ・ラジオ(Polskie Radio)」を訪問。両者の間には深い縁があり、Rtiが昨年(2025年)、「ウクライナ人記者支援」研修プログラムを実施した際には、「ポーランド・ラジオ」から2名のウクライナ人記者を招き、2025年12月から2026年2月まで台湾に駐在して取材を行うなど、台湾の地政学的状況と民主主義の環境について深く理解してもらう機会を設けました。

「ポルスキエ・ラジオ」のパヴェウ・マイヘル(Paweł Majcher)局長自らRti訪問団を出迎え、東欧の安全保障情勢、戦時における報道活動、および国境を越えた情報戦について深く意見交換を行いました。 

マイヘル局長は、ロシアによるウクライナ侵攻後、ポーランド社会はロシアからの大量の偽情報やプロパガンダに直面したと語り、公共メディアはジャーナリズムの専門性を維持するだけでなく、社会の安定と公共コミュニケーションという役割も担う必要があるとその経験を共有しました。

ポーランド放送の子供向けラジオチャンネル「Polskie Radio Dzieciom」(写真:Rti)

ポーランド放送の子供向けラジオチャンネル「Polskie Radio Dzieciom」(写真:Rti)

頼・董事長も、ポーランドは欧州で最も深刻な偽情報攻撃を受けている国であり、一方の台湾は世界で最も深刻な偽情報攻撃を受けている国であると述べ、両国は地理的距離は離れているものの、情報戦と民主主義の防衛という課題においては極めて類似しており、更に緊密に協力するべきであると指摘しました。

ワルシャワ大学訪問:台湾とポーランドの偽情報対策協力枠組みの推進

11日午前、訪問団はワルシャワ大学政治学および国際研究学院を訪問し、副院長であるウカシュ・ザメツキ(Łukasz Zamęcki)博士および台湾問題や認知戦を研究する多くの学者と意見交換を行いました。双方はポーランドと台湾の民主化のプロセスの話から、民主主義国家が現在直面している情報の二極化と外部からの認知戦による課題へと話題を広げました。

Rti訪問団とワルシャワ大学政治学および国際研究学院のウカシュ・ザメツキ(Łukasz Zamęcki)博士(左から2番目)。(写真:Rti)

Rti訪問団とワルシャワ大学政治学および国際研究学院のウカシュ・ザメツキ(Łukasz Zamęcki)博士(左から2番目)。(写真:Rti)

頼・董事長は、台湾のメディアの自由と民主主義の発展に関する経験を共有し、Rtiが将来「グローバル協力訓練枠組み(GCTF)」のモデルを参考に、台湾とポーランドの間で「偽情報対策」分野における訓練と交流の枠組みを構築し、台湾と中東欧国家がメディアリテラシーや情報強靭性の面でより長期的な協力関係を築いていくことへの期待を示しました。

ポーランド国営テレビ局訪問:戦時におけるウクライナ語ニュースの急速な拡大

同日午後、訪問団はポーランドの国営テレビ局「ポーランド・テレビ(TVP)」を訪問し、傘下の24時間英語国際ニュースチャンネル「TVP World」とウクライナ語ニュースチームと面会。ロシアによるウクライナ侵攻後、TVPのウクライナ語編集チームは半年で6人から60人にまで急速に拡大し、ポーランドおよび中東欧の視点から戦争の状況、戦後の復興と難民問題などを専門的に報道し、故郷を追われたウクライナの視聴者に情報を提供しているということです。

ウクライナ語ニュースチーム(写真:Rti)

ウクライナ語ニュースチーム(写真:Rti)

ウクライナ語チームのスラヴァ(Sława)編集長は、チームの仕事は戦争報道だけでなく、政策情報、生活情報、ファクトチェックにも及んでいて、ウクライナの人々が信頼できる情報を入手し、ロシアの偽情報に対抗できるよう支援していると話しました。また、東欧社会では近年、中国の情報の影響力や、インド太平洋地域の安全保障問題に関心を寄せ始めているとし、「一部の情報操作の手法には類似点があり、東欧のメディアも台湾海峡の情勢にますます注目するようになっている」と述べました。

ポーランドの全国紙「Gazeta Wyborcza」訪問:民主主義の古参活動家のメディア観

訪問団は11日、ポーランドの主要民主系メディア「ガゼタ・ヴィボルチャ(Gazeta Wyborcza)」紙も訪問。1989年創刊、ポーランドの民主化の過程を見守ってきた由緒あるメディアで、ここでは今年80歳になる創設者で著名な反体制派活動家アダム・ミフニク(Adam Michnik)氏が自ら出迎え、ロシアによるウクライナ侵攻、欧州情勢、そして間もなく行われる米中首脳会談について意見を交わしました。

ミフニク氏も特に台湾情勢に注目しており、メディアの真の価値は情報の伝達だけでなく、社会の混乱や政治的対立の際、人々に真実と理性的な信頼を維持することにあると強調。これこそがまさに民主主義社会が情報戦の時代において最も守るべき核心であると述べました。

Rti頼秀如・董事長(左)、「Gazeta Wyborcza」のロマン・イミエルスキ(Roman Imielski)副編集長(中央)と創設者のアダム・ミフニク(Adam Michnik)氏(右)。(写真:Rti)

Rti頼秀如・董事長(左)、「Gazeta Wyborcza」のロマン・イミエルスキ(Roman Imielski)副編集長(中央)と創設者のアダム・ミフニク(Adam Michnik)氏(右)。(写真:Rti)

ポーランドでの様々な訪問活動で、Rti訪問団はポーランド各界からのウクライナへの支持と、台湾海峡情勢への関心の高さを深く感じました。公共放送や学術研究から、民主化世代の知識人まで、東欧とアジアを跨ぐ対話を通じて繰り返し確認されたのは、情報戦や地政学的な情勢が急速に変化する時代において、民主主義社会間のメディア協力と経験の共有が、まさにかつてないほど切実かつ重要なものになっているということです。

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