頼清德・総統は18日午後、録画メッセージの形で、 第79回WHAの開催に合わせて衛生福利部(日本の厚労省に類似)が組織した「世衛行動団(WHA行動団)」によるグローバルヘルス・シリーズフォーラムで演説を発表しました。その中で、「デジタルヘルスと人工知能(AI)のガバナンス」、「がん政策と医療イノベーション」、「世界的なC型肝炎撲滅に向けた取り組み」の3つの議題について、「健康台湾(健康な台湾)」政策のビジョンを共有する意向を示しました。頼・総統はまた、現在の健康に関する課題は極めて厳しい状況にあり、「協力」こそが健康政策を推進する鍵になると強調。台湾がWHOのメンバーであれば、世界にさらに大きく貢献できるとの考えを示しました。
台湾は10年連続でWHAへの招待を受けていないものの、政府および民間団体は会期中に複数のフォーラムや展示活動を開催し、「Taiwan Can Help(台湾は貢献できる)」という理念を具体的に示しています。
頼・総統は、世界は現在、科学技術の急速な発展、人口構造の変化、新型感染症の脅威など、さまざまな激しい変動に直面しており、これまで以上に重い責任が自分たちに課されていると指摘。自身が台湾初の医師出身の総統であることに触れ、各方面の力を結集して「健康台湾」を実現し、国民の健康福祉を向上させたいとの考えを示しました。
また台湾は今回のフォーラムで、「健康台湾」の政策ビジョンを共有し、「デジタルヘルスと人工知能のガバナンス」、「がん政策と医療イノベーション」、「世界的なC型肝炎撲滅に向けた取り組み」の3つの議題について議論を行う予定だとしています。
頼・総統はまず、「デジタルヘルスと人工知能のガバナンス」に関して、台湾は制度的枠組みを整備することで責任あるAIガバナンスの推進に取り組むと指摘。さらに、医療AI、医療用ロボット、メディカルメタバースといった新興応用分野の活用を通じて、医療の精度とサービスの質を総合的に向上させていく方針を示しました。
頼・総統は続いて、「がんは依然として最も深刻な健康課題の一つである」と指摘。台湾はがん対策の強化に向けて、早期スクリーニングの推進、精密医療の導入、革新的治療へのアクセス向上に積極的に取り組んでいると説明。また、がん新薬基金の設置や健康保険給付制度の改革を通じて、すべての患者がタイムリーで、かつ負担可能で質の高い医療サービスを受けられる体制の構築を目指していると述べました。
頼・総統は、「世界的なC型肝炎撲滅に向けた取り組み」に関して、台湾はWHOが掲げる2030年目標より5年早く達成を実現したと指摘。その一方で、目標達成はゴールではないと強調し、成果をどのように維持するか、そして残された課題をどのように埋めていくかについては、引き続き国際社会の協力が不可欠であり、C型肝炎のない未来を実現していきたいと訴えました。
頼・総統は、現在世界が直面する健康課題は極めて深刻であり、いかなる国も単独では対応できないとしたうえで、「協力」こそが健康政策を推進する上で最も重要な鍵になると強調。政府、学界、産業界、そして民間の連携を一層強化することで、イノベーションの加速、公平性の向上、そしてより強靭的な健康体系の構築につながるとの考えを示しました。
頼・総統は最後に、台湾は長年にわたり世界の保健分野への積極的な関与を続け、経験の共有や世界のコミュニティとの緊密な協力関係の維持を続けてきた。台湾は世界の健康分野において責任ある信頼できるパートナーとなるよう全力を尽くしていると指摘。さらに、台湾がWHOのメンバーであれば、台湾の国民の健康に関する人権が保障されるだけでなく、世界にも一層大きく貢献できるとの考えを強調しました。
(編集:豊田楓蓮/許芳瑋/本村大資)