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総統直接選挙30周年シンポジウム、日本人学者「民主的自己決定の台湾が主流世論に」

25/05/2026 18:22
編集: 許 芳瑋
日本の東京大学および早稲田大学名誉教授の若林正丈氏が、台湾の総統直接選挙30周年を記念したシンポジウムに出席し講演を行った。(写真:Rti)
日本の東京大学および早稲田大学名誉教授の若林正丈氏が、台湾の総統直接選挙30周年を記念したシンポジウムに出席し講演を行った。(写真:Rti)

今年(2026年)が台湾総統直接選挙30周年にあたることを受け、総統府直属の歴史研究機関である国史館と李登輝基金会は23日、シンポジウムを開催。日本の東京大学および早稲田大学名誉教授の若林正丈氏は講演の中で、1996年の台湾総統直接選挙は「新たな政治の舟」の出航を象徴する出来事であり、台湾の政治は以降「民主主義の定着」の段階に入ったと述べました。さらに、台湾は1996年以降7回の総統直接選挙を経ており、その選挙結果は「民主的、自己決定の台湾台湾」というビジョンがすでに台湾で主流の世論となっていることを示していると指摘。ただし、現在の台湾は依然として「不完全」かつ「不確定」な状態にあるとも述べました。

若林正丈氏は23日、国史館と李登輝基金会の招きを受け、「総統直接選挙30周年——2026年李登輝記念学術シンポジウム」に出席し、「總統直選的實現在台灣歷史當中的意義–台灣近代史上民族國家形成的接力(総統直接選挙の実現が台湾の歴史において持つ意義——台湾近代史における国民国家形成の継承)」と題した講演を行いました。

若林氏は、1996年3月23日の総統直接選挙は台湾の有権者が「新たな政治の舟」に乗り込んだことを意味し、これ以降、台湾の政治は「民主主義の定着」の段階に入ったと述べました。若林氏は「中華民国台湾化」という概念を用いて、総統直接選挙後の台湾における「民主化が進んだというだけではなく、それを超える現象が同時に進行している」現象について論じました。

若林氏は、与党‧民進党が2000年の第2回総統直接選挙を前に「台湾前途決議文」を採択し、「台湾は主権を有する独立国家であり、いかなる現状変更もすべての台湾の人々の住民投票によって決定されなければならない」と明記したことに触れ、これこそが「台湾ナショナリズムの最小綱領」の概念であると述べました。

若林氏はさらに、もし中華民国を否定し、主権独立国家としての「台湾共和国」を樹立することを「台湾ナショナリズムの最小綱領」とするならば、民進党が過去30年間に5度にわたり総統直接選挙で勝利してきたこと、および台湾の人々の国家アイデンティティに対する各種世論調査の結果から見て、「民主的な自己決定の台湾」をビジョンとする「最小綱領」がすでに台湾で主流の世論となっていることが示されていると指摘しました。

ただし、若林氏は、台湾の「新たな政治の舟」はすでに出航したものの、その「不完全」かつ「不確定」な状態は現在もなお続いていると指摘しました。

若林氏は、「不完全」とは、国号や国旗をはじめ、憲法追加修正条文においても中華民国が台湾を領土とする独立国家であることが明示されていないことを指した状態だ。そのため、中華民国が法理上、依然として「統一前」の中国の一部であるという論述の余地が残されていると述べました。一方、「不確定」とは、台湾の国連復帰という目標がいまだ実現していない状況を指しており、この状況が国家主権が厳しい挑戦に直面していることを浮き彫りにしていると説明しました。

若林氏は、近年ますます強大化する中国が台湾に対し、軍事攻撃には至らないレベルの「認知戦」や「統一戦線工作」を展開し、台湾の「不完全・不確定」という脆弱性を拡大しようとしている。しかし、別の視点から見れば、中国が台湾を「敵国」と見なしていること自体が、かえって台湾が一つの「国民国家」として実質的に存在していることを裏付けていると指摘しました。

一方、李登輝基金会の李安妮(アニー・リー)董事長は挨拶の中で、過去30年間、台湾は民主主義制度の構築とその運営に努めてきたと強調。今後について、台湾が直面しているのはもはや制度そのものではなく、情報が急速に流通し意見の分断が進む時代において、民主主義の制度が引き続き信頼され、活用されうるかどうかであると述べました。

李・董事長は、李登輝・元総統が台湾に残したのは制度の変革だけではなく、変化の激しい状況の中にあっても方向を見定め、歩みを調整しようとする力を台湾に与えたのだとの認識を示しました。

(編集:許芳瑋/豊田楓蓮/本村大資)

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