日本で2011年に発生した東日本大震災の際に台湾から寄せられた支援への感謝を示すため、日本の総合芸術舞台劇「一粒萬倍A SEED」が、7月21日に台湾北部・台北の国家音楽ホールで台湾初公演を行います。同作品は、日本神話をはじめ、和太鼓や邦楽、日本舞踊、花道のライブパフォーマンス、さらに交響楽を融合させた総合舞台芸術であり、さらに今回は台湾の音楽家とも共演する予定となっており、震災から15年を迎えた節目に、芸術を通じて台湾に感謝の思いを伝える内容だということです。
「一粒萬倍A SEED」の日本側代表は6月1日、台湾で記者発表会を開き、主催・制作チームのほか、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(駐台大使に相当)や、文化部芸術発展司の黄宏文・副司長らも出席し、この公演を通じて台湾と日本の文化交流をさらに深めるとともに、両国の友情と絆を一層発展させていくことに期待を示しました。
「一粒萬倍A SEED」は、日本最古の歴史書である古事記を基に、日本の誕生神話や五穀誕生の伝説を現代的に再解釈した作品です。「万物は一つにつながっている」というコンセプトを通じて、生命の循環や感謝の精神を表現しています。
同作品は初演以来、10年以上にわたり日本国内外で公演を重ねており、東京・赤坂の音楽ホール「サントリーホール」での上演をはじめ、アメリカ・ロサンゼルスでも公演を行い、多くの観客から高い評価を受けてきました。一般的な舞台劇やコンサートとは異なり、日本の伝統芸能と現代舞台芸術を融合させた作品で、迫力ある和太鼓や邦楽の演奏に加え、日本舞踊やコンテンポラリーダンス、照明演出、そして物語性のあるドラマ表現が織り交ぜられ、多彩な芸術表現が展開されます。さらにクライマックスでは、生け花のライブパフォーマンスが披露され、華道家が公演の中で即興で大型の生け花作品を完成させ、草花によって生命の誕生、成長、循環を表現。こうした演出により、同作品は聴覚や視覚、精神的な感動も含めた五感で楽しむ舞台となっているということです。
今回の台湾公演には、日本の重要無形文化財総合指定保持者である小鼓奏者の望月左武郎氏をはじめ、音楽監督・太鼓奏者の由有氏、能管奏者の鳳聲晴久氏、日本舞踊家の花柳茂義實氏らが出演する予定です。また主催団体は、台北を拠点に活動するクラシック・アンサンブル「閑弦室内楽集」や、和太鼓グループの「風鳴」を共演者として招く予定です。
同作品で作・演出を務める松浦 靖氏は、記者会見で「一粒萬倍A SEED」の創作は、2011年の東日本大震災後に抱いた、生命や生きることの意味への問いかけから生まれたものだと語りました。また、日本人が日常的に言葉にする「いただきます」に込められた感謝の精神を通じて、人と人、人と自然、そして生命の循環の間の関係について改めて考えてほしいとの思いを作品に込めたと説明しました。
松浦氏は、東日本大震災から15年を迎えたこの節目に、「一粒萬倍A SEED」の初の海外公演の地として台湾を選んだのは、震災当時に寄せられた台湾からの温かい支援に対する感謝の気持ちを伝え、その恩に報いるためだと強調。同公演は7月21日に台北の国家音楽ホールで1回限り上演される予定であり、台湾の観客に日本神話、伝統芸能、そして現代舞台芸術が織り成す独特の魅力を間近で体感してほしいと期待を寄せました。
(編集:豊田楓蓮/許芳瑋/本村大資)