経済部(日本の経産省に相当)の龔明鑫・部長(大臣)は4日、チェコ上院のミロシュ・ビストルチル(Miloš Vystrčil)議長の表敬訪問を受けました。
龔・部長は、台湾とチェコは近年多くの分野で協力や交流を行っており、特に2022年に台湾が中東欧投資基金を設立して以降、現在、チェコへの投資案件は最多となっていると指摘しました。また、今後のサプライチェーンの再編が加速する中で、共に自由と民主主義を享受する台湾とチェコは必ずや最も強固なパートナーになると述べました。これを受け、国家発展委員会(略称:国発会)の葉俊顯・主任委員はその場で、既存の中東欧投資基金の枠組みにおいて、双方向の投資と技術交流を促進するため、追加で5000万ユーロ(約93億円)を配分し「中東欧投資基金チェコ追加プラン」を推進することを発表しました。
龔・部長は、チェコは常に台湾にとって中東欧における非常に重要かつ信頼できるパートナーであり、双方は航空直行便、経済・貿易、教育、および半導体の分野で協力による具体的な成果を上げていると指摘しました。一例として、経済部は2024年、現地に台湾貿易投資センターを設立し、チェコへの進出を検討している台湾企業をサポートしています。また、2022年には、台湾が規模2億米ドル(約320億円)の中東欧投資基金と10億米ドル(約1600億円)の融資基金を設立、以降、現在投資案件が最も多いのはチェコとなっています。
産業協力について、龔・部長は、各界が注目する半導体やAI(人工知能)分野の協力も徐々に成果を上げていると強調。例えば、台湾の振生半導体(Jmem Tek)はすでにブルノ(Brno)の先端半導体設計研究センター(ACDRC)の研究計画に参加し、チェコに拠点を設立して先端チップ設計に投資しています。また、半導体化学品の物流企業である愛豊通運(i-Trans)もチェコにヨーロッパ物流センターを設立しており、これらの事柄は、台湾がチェコで構築している半導体サプライチェーンが徐々に形になりつつあることを示しているとして、今後も継続して推進したいとの考えを示しました。
AI分野について龔・部長は、電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手・鴻海(ホンハイ)の子会社、富士康 (フォックスコン)などの企業がすでにチェコにAIサーバー関連の拠点を設立しており、将来的にヨーロッパ連合(EU)の「AIギガファクトリー(AI gigafactories)」計画に参加する際にも、台湾メーカーはチェコと協力することを望んでいると言及しました。龔・部長はさらに、世界的なサプライチェーンの再編が加速する中、台湾とチェコは自由と民主主義という共通の価値観を分かち合い、互いに信頼し合っているため、双方は必ずや最良かつ最も強固なパートナーになると強調しました。
また、国家発展委員会の葉・主任委員は補足説明として、台湾とチェコの産業チェーンの結びつきはすでに、過去に比べより緊密になっており、段階的に実質的な成果へと変わっていると述べました。そして、双方の実質的な協力を促進するため、国家発展委員会は経済部と協力し、既存の中東欧投資基金の枠組みのもとで「中東欧投資基金チェコ追加プラン」を推進すると明らかにしました。
葉・主任委員は、「この5000万ユーロ(約93億円)の追加プロジェクトは、チェコ市場への進出を目指す台湾企業、または台湾市場への進出を目指すチェコ企業、そして台湾とチェコ双方が協力する企業への投資に充てられる。私たちはこの資金を通じて、台湾とチェコの友好関係をより具体的な双方向の投資や技術交流へと転換させていきたいと考えている」と語りました。
一方、ビストルチル議長は、龔・部長と約30分間にわたり協力項目について話し合ったことを明かしました。その内容として、台北―プラハ間の直行便、サプライチェーンの強靭化計画、共同でのウクライナへの人道支援、原子力分野における協力の可能性などを挙げ、双方が過去に築いた良好な基盤の上に、今後も双方の協力関係を深め続けていく意向を示しました。
(編集:呂学臨/駒田英/本村大資)