無人機(ドローン)の発展を推進するため、行政院(内閣)は18日の閣議で総額2,100億台湾元(日本円で約1兆1000億円)規模の「国防自主無人アセット(装備品)調達特別条例案」の草案を決定。今年(2026年)8月から2031年末までに沿岸監視偵察型無人機をはじめとする各種無人機を段階的に調達する計画となっており、同法案は26日の立法院(国会)本会議の議事日程に組み込まれました。しかし、野党・国民党と台湾民衆党は議席数で優位に立つことを背景に、行政院が提出した同案について審議入りを見送り、委員会での審議に付されませんでした。
立法院(国会)は今年5月8日、国防特別予算条例を三読会で可決したものの、その内容はアメリカからの軍事調達案件のみを対象としており、民間からの直接的な調達や委託製造による案件は削除されました。このため、対象から除外された無人機関連の項目を補うべく、行政院は6月18日に閣議の中で「国防自主無人アセット(装備品)調達特別条例案」の草案を決定。同法案では総額2,100億台湾元の特別予算を計上し、今年8月から2031年末までの間に、沿岸攻撃型無人機、沿岸偵察型無人機、小型自爆攻撃型無人艇などを段階的に調達する計画となっています。
26日は立法院本会議の議事日程がまだ確定していなかったことから、国民党、与党・民進党の両党団は同日午前、それぞれ党団会議を開き、審議案件について協議。国民党立法院党団の総招集人を務める傅崐萁・立法委員(国会議員)は、党団会議後に行われたメディアの取材に対し、党独自の無人機特別条例草案について協議を進めており、予算規模や主管する機関などを盛り込んだ内容とする予定で、来週にも正式な法案を提出する考えを明らかにしました。
傅・立法委員は、「私たちは無人機産業を全面的に断固支持しており、税制優遇や各種インセンティブも含めて後押ししていく」と述べたほか、記者から「国民党の頼士葆・立法委員が提出した案をベースにするのか?」との質問に対し、「特定の案を参考にしているわけではない。党内で最終的な協議を行い、来週正式に法案を提出する予定だ」と答えました。
一方、台湾民衆党団も独自に「無人アセット発展条例草案」の策定を進めており、無人機関連予算は特別予算ではなく、年度予算に計上すべきだとの考えを示しています。台湾民衆党立法院党団の副総召集人を務める王安祥・立法委員はメディアの取材に対し、「台湾民衆党は国防力の強化には賛成しているものの、財政規律は厳格に守るべきだと考えている。このような特別予算が常態化することは望ましくない」と述べました。
一方、民進党立法院党団の范雲・書記長は野党団に対し、行政院が提出した無人機特別条例案を速やかに委員会へ付託し、専門的な審議を進めるよう求めました。その上で、「言っていることと実際の行動が食い違うような対応は避けるべきだ」と呼びかけました。
范・書記長は、「台湾民衆党が提出した案のように年度予算へ計上するという考え方でも、あるいは我々民進党が支持する特別予算とする案でも、いずれも委員会で専門的な議論を行えばよい。しかし、先ほど入った情報では、国民党と台湾民衆党は今日(26日)、行政院が提出した無人機特別条例案が第一読会に進むのを再び阻止しようとしているようだ。もし本当にそうであるなら、野党団は口では賛成すると言いながら、実際には別の行動を取っているのではないかと強く疑わざるを得ない」と述べています。
立法院が26日午前の本会議で報告された事項を審議した際、台湾民衆党団と国民党団がいずれも「国防自主無人アセット(装備品)調達特別条例案」の審議入りを見送る動議を提出。採決の結果、国民党と台湾民衆党が議席数で優位に立ち可決したため、行政院が提出した同法案は審議入りが見送られ、委員会での審議に付されませんでした。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)