日本の産経新聞の前台北支局長で、現在はインド太平洋戦略シンクタンクの執行長をつとめるフリージャーナリストの矢板明夫氏が、7月6日正午、台湾中部の台中市で講演を終え、ホテルを出た際、尾行していた中国籍の男性にいきなり拳で顔を殴られる事件が発生、大きな関心を呼んでいます。
蕭美琴・副総統は7日、「台湾は言論の自由を重んじており、いかなる暴力も許されない。総統府としても厳しく批判する」と述べ、民主主義陣営のパートナー国家と共に、こうした「越境弾圧」といえる行為へ対抗していく、と訴えました。
社団法人台湾民主実験室(Doublethink Lab)は7日、「2026年中国影響力ネットワーク年次総会(China InThe World, CITW 2026)を開催しました。蕭美琴・副総統は開会式に出席後、メディアに対し、「台湾は言論の自由を非常に大切に考えている。同時に暴力は決して許されない」と訴えました。
蕭・副総統は「いかなる考え方をもっていても、安全かつ双方を尊重できる環境のもとで話し合うべきであり、暴力は絶対に容認できない。この事件は一つの警鐘といえる。台湾は言論の自由を守っていかないといけない。皆さんのさらなる努力が必要だ」と強調しました。
総統府の郭雅慧・報道官もメディアに対し、本件は、中国で「民族団結進歩促進法」施行後、台湾で初めて発生した「越境弾圧」の暴力による脅迫事件であるとして、総統府はこれを厳しく非難する、と述べました。そして、この事件により、中国が全世界で、尾行やいやがらせ、暴力や脅迫といった方法で、多様な声、言論の自由に圧力をかけてきたことが浮き彫りとなったとして、国際社会は中国の政権の本質を、よりはっきりと認識することになったと、指摘しました。
一方、矢板氏は自身のSNSで、各方面からの関心に謝意を述べた上で、容疑者は十分な準備をしていたようだと説明、中国の「民族団結進歩促進法」との関係の有無は調査で明らかにされるべきだと指摘しました。矢板氏はその上で、これによって絶対に怯むことはない、引き続き、台湾の民主、自由の為に声を上げていく、と強調しました。
また、外交部(外務省)は、「政府はこうした暴力行為を決して看過することなく、言論の自由及び民主、法治社会の安全が脅威にさらされることを容認しない。引き続き、各方面と密に調整し、海外在住の台湾人や台湾に滞在する外国籍の人々の安全を確保する」と述べました。
(編集:駒田英/呂学臨/本村大資)