国防部(防衛省)は13日から17日まで「連合防衛演習」を実施しています。これに伴い、中華民国陸軍の多数の重装甲車両が13日午後、北部・桃園市の市街地に姿を現し、市民の関心を集めました。
専門家は今回の演習について、今年(2026年)6月に実施された「即時戦闘準備演習」に続くもので、中国軍が台湾への先制攻撃を行い、台湾側の指揮・統制ノードを破壊した状況を想定していると分析しています。専門家によりますと、今回の「連合防衛演習」は他に、指揮体制が分散した状況下でも、各部隊が共同作戦による反撃能力を発揮できるかを検証するとともに、国軍が進めてきた実戦的な訓練の成果を確認する狙いがあるということです。
国防部は、6月に実施した「即時戦闘準備演習」の作戦想定を引き継ぎ、今回の「連合防衛演習」では、「実兵・実地・リアルタイム・実装備・実動」の方式で訓練を行うと説明。また、指揮体制が分散した状況下において、各部隊が共同作戦による連携や調整を円滑に行える能力を検証することが目的だとしています。
台湾のシンクタンクである国防安全研究院・国家安全研究所の沈明室・研究員は、これまでもいわゆる「戦備訓練月間」と呼ばれる政策があり、部隊の平時から戦時への移行能力を強化してきたと説明。その上で、今回の演習はこうした訓練項目を重点的に検証するものだと指摘しています。沈・研究員はまた、2025年から国防部は、中華民国国軍の定例軍事演習「漢光演習」を10日間に延長し全面的な「実戦化」訓練へと拡大しており、理論上は「防衛作戦計画」の各段階を検証することが目的だと指摘。一方で、各軍種や部隊によって検証すべき項目が異なるほか、各県と市が毎年行ってきた定例防空演習「万安演習」など民間防衛訓練との連携も必要となるため、「漢光演習」だけではすべての訓練項目を網羅することは難しいと述べています。
沈・研究員はさらに、国軍の「防衛作戦計画」に照らして見ると、「即時戦闘準備演習」は「通常の戦備期間」における平時から有事への転換能力を訓練するものである一方、「連合防衛演習」は中国軍がすでに先制攻撃を開始し、台湾側の指揮・統制ノードが破壊された状況を想定しており、指揮体制が分散した状況下でも、各部隊がどのように展開・反撃を行い「防衛作戦段階」へ移行できるかを重点的に検証するものだと説明しています。
また、3か月連続で大規模な軍事演習を実施することが、第一線で活躍する部隊の戦備負担に繋がるかどうかについて沈・研究員は、もし台風への対応や災害救援などの任務が重なれば、部隊への負担は増える可能性があると指摘。しかし、戦備訓練という観点では、これはもともと部隊の主要な任務の一つであり、むしろ日頃の訓練の強度や成果を検証する機会になると説明しています。
(編集:豊田楓蓮/許芳瑋/本村大資)