頼清徳・総統は14日、台湾北部の基隆市を訪れ、仏教聖地の「佛光山」を視察しました。頼・総統は、佛光山の開山大師である星雲大師が一生を捧げて「人間仏教(生活に密着した仏教)」の普及に努め、文化、教育、慈善、社会サービスなどの分野で多大な貢献をしたと称えました。
頼・総統は、また、仏教系慈善団体「慈濟功德會」の「慈済基隆静思堂」を訪問。頼・総統は、慈済が台湾全土の各県市に「精舍」を置いており、それらは信仰の中心的役割を果たしているだけでなく、慈善、環境保護、社会的ケア、社会サービスの中心でもあると紹介し、社会に多大な貢献をしているすべての慈済ボランティアに対し、心からの感謝の意を表明しました。
頼・総統は、2026年から台湾の65歳以上の高齢者人口が全体の20%を超えたことに触れ、これは国家、社会、そして医療が発展し続け、国民がより長寿になったことを示す一方で、少子化の傾向を反映しているとも指摘。人口構造の変化に直面する中、政府は高齢者をしっかりとケアするだけでなく、国家の力で若い世帯の負担を軽減し、若い世代が安心して結婚し、出産し、楽しく子育てができるよう支援しなければならないと強調しました。
社会福祉政策の推進について、頼・総統は、政府が台湾全土に長期介護の拠点を設置しており、「静思堂」もその一つであると紹介。さらに、政府の長期介護予算を年間約1,100億台湾元(日本円で約5,060億円)まで引き上げており、今後もそれを必要とする高齢者へサービスを提供し続けると語りました。
また頼・総統は、政府は出産を奨励するため、「0歳から6歳までは国が一緒に育てる」政策を推進しているほか、新たに「0歳から18歳までの成長手当」を導入したと説明。この計画では、18歳以下の子ども1人につき毎月5,000台湾元(約2万3,000円)、年間で計6万台湾元、18年間で計108万台湾元(約496万円)を支給する予定です。
さらに頼・総統は、自身が新北市の萬里区の炭鉱の町で生まれ育ち、学生時代に家庭の事情で進学を諦めて早くから工場で働かざるを得なかった同級生たちを見てきたと振り返りました。台湾の経済が発展した今、こうした状況は避けるべきだと考え、総統就任後に「公立・私立高校、職業学校の授業料全面無償化」などの政策を推進したと述べ、勉強したいと願うすべての子どもにその機会を提供する責任が政府にはあると強調しました。
頼・総統は、「個人として深く感じているのは、経済が良くなった今、子どもがどのような家庭に生まれても同じであり、本人が勉強したいと望むなら、政府は教育の機会を与えなければならないということだ。経済が発展し税収が増加した今、政府はそれを国民のケアに充てる。国民こそが国家の主人だからだ。皆さんもそう思うだろう。だからこそ、私たちは共に力を合わせていかなければならない」と述べました。
その後、頼・総統は基隆市にある「泰安市民農園」の里親センターも視察。頼・総統は、農業は国家の発展にとって極めて重要であると指摘。自身が台南市長を務めていた際、若者が農業への参入を望まないため、80歳の高齢になっても農業を続けざるを得ない農民を多く目にしたと明かしました。そのため、若者を呼び込む制度を構築する責任が政府にはあるとし、「農民健康保険」、「農民労働災害保険」、「農民退職年金積立金」、「老齢農民手当」、および「農業保険」を推進し、制度的に農民の権益を保障して若者の就農を促していると説明しました。さらに、行政院(内閣)も法改正を提案し、国民年金および老齢農民手当を引き上げ、それぞれ毎月5,000台湾元(約2万3,000円)と1万台湾元(約4万6,000円)を受け取れるようにする方針を示しました。
頼・総統は、農民は台湾の食料安全保障を維持し、長期にわたり商工業の発展を支えるなど多大な貢献をしてきたと強調。商工業やハイテク産業が成功を収めた今、今度は従来型産業をバックアップし、経済の持続的な発展を促すことで、農民がより手厚いケアを受けられるよう期待を寄せました。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)