行政院(内閣)の卓栄泰・院長(首相)は17日、各種文化・教育活動を展開する公益団体「仰山文教基金会」が台湾北東部・宜蘭県で開催する「台湾百年追尋(日本語訳:台湾百年の歩みをたどる」展の開幕式に出席しました。
卓・院長はその際、政府は引き続き民主主義のさらなる発展を進めるとともに、民主主義と台湾の主体性を施政の重要な柱としていく考えを示しました。卓・院長はまた、香港で最近、独立系書店が警察による家宅捜索を受けた事例に言及し、「権威主義体制の下では、民主主義を訴えることや、権力者を批判すること、民主主義の歴史を残すことは決して容易ではない。台湾は今後も民主主義という価値を守り続け、決して後戻りしてはならない」と強調しました。
卓・院長は、政府は今後も民主主義と台湾の主体性の強化を推進していき、その理念を中央政府と地方自治体の施政に反映させていく考えを示しました。また、行政院は今年(2026年)6月17日に省庁横断型の調整機関「強化民主靭性専案弁公室(民主主義強靭化プロジェクトオフィス)」を正式に設置したと説明。今後も民主主義のさらなる発展に向けた取り組みを進めるとともに、政府が2022年に設立した特別基金である「促進轉型正義基金(移行期正義促進基金)」を適切に活用して、過去に民主化運動などで迫害を受けた人々やその家族を支援していく方針を明らかにしました。さらに、同オフィスを活用して、現世代や次の世代が台湾の民主化の歩みをより深く理解できるよう取り組んでいく考えも示しました。
香港で15日、独立系書店が《香港国家安全維持法》に基づく家宅捜索を受けたことについて、卓・院長は、「権威主義体制の下では、民主主義を訴えることや、権力者を批判すること、さらには民主主義の歴史を残すことさえ容易ではない。それに対し、台湾社会は真の民主主義と自由を備えている。政府は今後も民主主義を推進し続け、決して後戻りしてはならない」と強調しました。
卓・院長は、「台湾が過去へ後戻りすることは決してない。今日のような場で改めて強調したいのは、香港では今も書店が捜索を受けていることを皆さんもご存じでしょう。権威主義体制の下では、今回の展覧会のような、民主主義を訴えたり、権力者を批判する言論は認められない。しかし、台湾は一つの真の民主主義社会だ。私たちはそうした活動を認め、歓迎し、その歴史を守るとともに、今後も積極的に推進していく」と述べました。
卓・院長は、中国が「民族団結進歩促進法」を施行し、越境弾圧やロングアーム管轄権の行使を図っていることに触れ、「政府には、国内外を問わず人々の安全を守り、民主的で自由な生活様式を守る責任がこれまで以上にある」と指摘。卓・院長はまた、行政院も民主化運動に携わってきた人々や次世代を支持するため、さらなる政策を進めていく考えを示しました。また、台湾の民主化の歩みを伝える史料や展覧会を今後は台湾全土、さらには海外にも広げ、台湾が歩んできた民主化の歴史を世界に発信していきたいとの考えを述べました。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)