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AI需要が台湾経済を押し上げ  台経院「今年の成長率は10%超え」と予測

21/07/2026 21:06
編集: 豊田 楓蓮
台湾経済研究院は21日、設立50周年を記念するサミットフォーラムを開催した。(写真:外交部の吳志中・政務次長のフェイスブック)
台湾経済研究院は21日、設立50周年を記念するサミットフォーラムを開催した。(写真:外交部の吳志中・政務次長のフェイスブック)

「人工知能(AI)バブル」への懸念が取り沙汰されています。こうした中、台湾の民間シンクタンク「財団法人台湾経済研究院」の張建一・院長は21日、AIのライフサイクルはまだ初期段階にあり、今後、半導体チップの普及や計算能力の低コスト化が進めば、AI活用の「成長の好機」が到来するとの見方を示しました。張・院長はまた、台湾にとってAIによる経済効果やビジネスチャンスは少なくとも2028年まで続くとの見通しを示しました。また、台湾経済研究院は今年(2026年)の経済成長率上方修正すると予告少なくとも10%に達するとしています。

台湾経済研究院は21日、設立50周年を記念するサミットフォーラムを開催しました。同研究院の呉中書・董事長は挨拶の中で、これからの競争は単なる国家間の競争だけでなく、生態系同士の競争にもなるだろう。同研究院は使命を担い、今後も先を見据えた研究を深化させ産業政策の分析力を強化することで、政府による将来動向の把握や企業による戦略的な事業展開を支援し、より先見性のある公共政策の形成に貢献していくと述べました。

最近、AIバブルへの懸念が広がる中、ハイテク株が下落する場面が見られています。このについて、同研究院の張・院長は取材に対し「AIそのものは大きな潮流であり、バブルになることはない」と強調し、バブル崩壊や経営破綻に直面する可能性があるのは、多くのAIスタートアップ企業だとの考えを示しました。そのうえで、2000年代のインターネットバブルと同様に、バブルを乗り越えて生き残った企業は、今後、人類に大きな貢献をもたらすことになるだろうと語りました。

張・院長はまた、現在のAI分野における最大の課題について、「計算能力(コンピューティング)のコストが高く、半導体チップの生産能力が不足していることだ」と指摘。今後はこうした課題が徐々に緩和され、AI活用が大きく成長する「成長の好機」が訪れるとの見方を示しました。そして、AIの応用は現在のチャットボットや推論型AIから、AIエージェント、さらには「フィジカルAI」、つまりはロボットへと進化し、人々の生活の質を向上させていくと指摘しました。そして、台湾にとってAIによる経済効果やビジネスチャンスは今後も長期間続き、「少なくとも2028年までは問題ない」との見通しを示しました。

張・院長は「現在、生産能力への需要は急激に拡大している。AI向け半導体のGPU(画像処理装置)からTPU(テンソル処理ユニット)、さらには関連部品に至るまで、単純にすぐ生産能力を拡大すれば解決できるというものではない。そのため台湾にとって、AIによる経済効果やビジネスチャンスは、今後もかなり長く続くと考えている」と述べています。

行政院(内閣)主計総処と、台湾の最高学術研究機関である中央研究院は、2026年の台湾の実質経済成長率の最新見通しで、それぞれ9.64%、10.16%と予測しています。

このについて台湾経済研究院の張・院長は、主な要因は輸出が予想を大きく上回っているためだと説明し、同研究院は次回発表する台湾の実質経済成長率に関しても、少なくとも10%を超えると見込んでいると明らかにしました。また、来年も好調な成長が期待できるとしたうえで、今年の高い成長率を踏まえ、来年も8%を超える成長を達成できれば、それはAI需要の強さを示すものになると指摘しました。

このほか、国際的な信用リスク格付け機関「フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)は21日に記者会見を開き、世界的なAI需要の力強い伸びを背景に、台湾の今年と来年のGDP成長率予測をそれぞれ6.9%から9.4%、4.0%から4.8%へと上方修正したと発表しました。同機関はまた、台湾経済の成長見通しは引き続き好調だとする一方、今後の下振れリスクとして「主要貿易相手国・地域の経済成長大幅鈍化」、「世界的なAI需要減」「地政学的緊張の高まり」の3つの主な要因を挙げています。

(編集:豊田楓蓮/駒田英/本村大資)

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