頼清德‧総統は15日午後、台湾中部‧台中に位置する台中栄民総医院(=病院)の陽子線治療センター棟の開所式に出席した際、「台中栄民総医院の陽子線治療センターは、中部地域における精密医療の提供体制を強化するだけでなく、国が医療格差の是正を推進する上でも重要な役割を果たす。また、次世代の『Flash陽子線治療』の導入に向けた基盤を築くものでもあり、台湾の医療の国際競争力を継続的に高めることができる」と述べました。
台湾では、がんが44年連続で十大死因の首位となっており、近年、がん治療の受診ニーズが大幅に増加しています。台中栄民総医院は治療の提供体制を拡大するため、2022年から陽子線治療センターの建設に着手し、今年(2026年)上半期に完成しました。同センターは、世界初となる最新型の陽子線治療設備を導入している点が特長で、照射時間は最短で6秒未満。治療時間の短縮と精度の向上を実現し、中部地域の患者により質の高い医療ケアを提供していくということです。
頼‧総統は15日午後、台中栄民総医院が行った「陽子線治療センター棟開所式ならびに医療従事者宿舎棟起工式」に出席。頼‧総統は挨拶の中で、「台中は、彰化・南投・苗栗などを含む中部地域の医療ニーズを担っているため、十分な医療の提供体制を備えることがなおさら求められる」と述べ、台中栄民総医院の陽子線治療センターが予定より早く完成し、開所を迎えたことは重要な一歩であると強調しました。「今後、設備や医療サービスが順次整っていくにつれて、より多くの中部地域の住民が身近な場所で最先端のがん精密治療を受けられるようになり、さらに次世代の『Flash陽子線治療』を発展させるための基礎を築くことにもなる」と語りました。
頼‧総統は、「この大規模な医療施設の整備は、中部地域における精密医療の提供体制をさらに強化するだけでなく、国が医療格差の是正を進めるための、より充実した地域医療体制の構築にもつながる。また、Flash陽子線治療という先進技術の導入に向けた基盤にもなる。言い換えれば、これは最後の一歩ではない。今後に是非期待してほしい」と述べました。
頼‧総統はまた、「先進的な設備がその効果を十分に発揮するためには、優れた医療人材が必要である。そのため、政府は『健康台湾深耕計画(「健康な台湾」という目標を深化させるプロジェクト)』を立ち上げ、医療現場の環境改善、多様な人材の育成、スマート医療の導入、持続可能な医療の実現など、体系的な医療改革を進めている。今後も最前線で働く医療従事者を継続的に支援していく。台中栄民総医院の医療従事者宿舎棟の起工も、医療現場の労働環境を改善し、医療人材を確保するための取り組みの一環である」と語りました。
頼‧総統はさらに、「総統就任後、『健康台湾(健康な台湾)』を実現するための取り組みを積極的に推進してきた。国民の不健康な余命(健康でない状態で過ごす期間)を短縮するため、政府は十大死因の首位であるがん対策から取り組み、がん検診の拡充や精密治療、100億台湾元(約500億日本円)規模のがん新薬基金の設立などを盛り込んだ『がん予防・治療戦略計画』を打ち出した。昨年(2025年)は68億元(約340億日本円)を投じてがん検診を実施し、延べ536万人が検診を受けた。そのうち7万1,000人に異常が見つかり、5万9,000人が前がん病変、1万2,000人ががんと診断された。早期発見・早期治療を通じて、2030年までにがんの標準化死亡比(SMR)を3分の1引き下げることを目標としている」と述べました。
(編集:許芳瑋/豊田楓蓮/本村大資)