台湾の国家通信社・中央通信社は17日、台湾南部・高雄市六亀区の山間部を拠点に活動する「尼布恩合唱団(ニブン合唱団/Nibun Chorus)」が、スウェーデン・ヘルシンボリで開催された「第14回世界合唱大会(World Choir Games、8月6日〜16日)」の第2ステージ(11日~16日、第1ステージは6日~10日)の決勝で、コンテンポラリー音楽部門(Contemporary Music)と混声合唱部門(Mixed Choirs)の2部門でそれぞれ金メダルを獲得したと報じました。大会直前に民族衣装での出場に変更した同合唱団は、民族衣装を着ることで自信が湧き、家族がそばに付いてくれているように感じたと説明。裸足で大地を踏みしめながら歌い、その歌声が認められ、審査員から高く評価されたことを大変嬉しく思うと語りました。
「第14回世界合唱大会」は、ドイツの国際交流基金会「インターカルチュラル(Interkultur)」が主催しています。
14日のコンテンポラリー音楽部門では、中国、香港、スロバキア、スウェーデンなどから強豪チームが出場し、15日の混声合唱部門では、スウェーデン、中国、ポーランド、インドネシアなどのチームが出場。
16日に結果が発表され、「尼布恩合唱団」はコンテンポラリー音楽部門で87.28点、混声合唱部門で88.38点を獲得し、いずれも金メダルに輝きました。混声合唱部門への出場は、同合唱団にとって今回が初めてでした。
同大会の審査員を務めた「台北フィルハーモニー室内合唱団(Taipei Philharmonic Chamber Choir)」の音楽監督、古育仲氏は中央通信社の取材に対し、「コンテンポラリー音楽部門は大会の中でも特に競争の激しい部門の一つだ。この部門では、新たな声や響き、新たな音楽のコンセプトや表現形式が求められるため、作品そのものに高い創造性が必要であると同時に、合唱団にも高い実力が求められる。また、新たな声や響きの表現には複雑なハーモニーやリズム、さらには一風変わった音まで含まれるため、それらを自在に操るには、合唱団に十分な技術力が必要だ」と説明しました。
「尼布恩合唱団」の団長・Salizan Takiludunさんは「民族衣装に着替える決断が、メンバーたちにより自信を与え、メンバーたちの歌声にも大きな力を与えてくれた」と話しました。
今回の世界合唱大会には、台湾から「尼布恩合唱団」を含む7団体が参加し、合計で金メダル8個、銀メダル1個を獲得しました。
「尼布恩合唱団」は15日午前、大会の会場となった「ヘルシンボリ・コンサートホール(Helsingborgs konserthus)」の外で、今大会最後の部門である混声合唱部門への出場に向けてウォーミングアップを行いました。その際、練習の歌声に多くの通行人が足を止めて聴き入る中、スウェーデン人のJorgen Grugaardさんは、今年台湾北部・台北で開かれたロータリークラブの大会に参加した際の帽子と名札、さらに中華民国の国旗を持って駆けつけ、合唱団に声援を送りました。
しかし、Jorgen Grugaardさんが国旗を手にしながら中央通信社の取材に応じていたところ、主催者側のスタッフ2名がすぐに近づいて制止し、取材中に国旗を映し続ける場合は、取材許可証を取り上げると中央通信社側に警告したということです。
主催者側は、中央通信社と一般の観客に対し、世界合唱大会が採用している「オリンピック方式」を順守するよう求め、大会期間中の会場で中華民国の国旗を掲げてはならないと説明しました。Jorgen Grugaardさんはこの規定に不満を示しましたが、スタッフが間に入って調整した結果、国旗を収めたと伝えられています。
Jorgen Grugaardさんは中央通信社の取材に対し「国旗をめぐる一件でとても嫌な気持ちになった。中国から来たスタッフが、スパイのようにあちこちを監視していた」と語りました。また、「自分をはじめロータリークラブの関係者や多くのスウェーデン人は台湾を愛し、台湾を尊重している」と話しました。さらに、「尼布恩合唱団」が出場した公演を4回鑑賞したといい、「民族衣装を身にまとい、台湾のさまざまな民族の音楽を披露する姿はとても魅力的だった」と述べました。

(編集:豊田楓蓮/許芳瑋/本村大資)