頼清徳・総統は17日午前、総統府で行政院(内閣)から「2027年度中央政府総予算案」について2回目の報告を受けた後、台湾の経済成長率は上方修正が続いており、39年ぶりに記録を更新する可能性があると述べました。そのため、2027年度の中央政府総予算は歳入と歳出の均衡を図り、実質的に「新たな借金をしない」ことを前提に、歳出を2,357億台湾元(約1兆1800億円)増額し、すべての国民及び一部の在留外国人などを対象に1人当たり1万台湾元(約5万円)の現金一律給付を実施する方針を示しました。これにより、「AI(人口知能)の恩恵を国民全体で共有する」としています。
立法院(国会)は14日に今年度(2026年度)の中央政府総予算案を可決したばかりですが、行政院)もこのほど2027年度の中央政府総予算案の編成を終えました。行院院の卓栄泰・院長(首相)は17日、2027年度総予算案の編成方針と重点項目について、頼・総統に2回目の報告を行いました。
頼・総統は報告を受けた後、台湾は長年にわたり培ってきた半導体、情報通信技術(ICT)、製造サプライチェーンの強みを背景に、経済成長率の予測が相次いで上方修正されており、39年ぶりに記録を更新する可能性があると述べました。また、これに伴い、2027年度の中央政府総予算の歳入も3兆9,266億台湾元(約19兆7000億円)に上方修正された。そのため、歳入と歳出の均衡を図り、実質的に「新たな借金をしない」ことを前提に、政府は歳出を2,357億台湾元(約1兆1800億円)増額し、2027年にすべての国民及び一部の在留外国人などを対象に1人当たり1万台湾元(約5万円)の現金一律給付を実施する方針だと説明し、これにより「AI(人工知能)の恩恵を国民全体で共有する」としています。
頼・総統は、「この1万台湾元をどのように使うかは、個人や家庭それぞれの判断に委ねられる。子どもの教育費に充てたり、高齢の家族を支えたり、家計の負担を軽減したりすることに使えるほか、消費を増やし、地元の店舗やさまざまな業種を支援することにも使える。現金一律給付を全体の予算に組み込んだ後も、2027年度の総予算は歳入と歳出の均衡を維持し、債務の純増はない」と述べています。
頼・総統は、2027年度の中央政府総予算には、現金一律給付に加え、特に重要な5つの重点施策が盛り込まれていると強調。一つ目として総額3,730億台湾元(約1兆9000億円)の「台湾人口対策新戦略・家庭支援編」を推進し、その中に「0歳から18歳までの成長手当」が含まれると説明しました。頼・総統は、この政策について新たな立法措置は必要なく、すでに2027年度の総予算に計上されているため、「政府が直接実施し、国民が直接受け取る」ものだと述べました。
頼・総統は二つ目として、国防力を強化し、国家の安全を守ることだと説明。2027年度の国防関連予算は、年度予算と特別予算を合わせて初めて1兆台湾元(5兆円)を突破し、1兆1,225億台湾元(約5兆6200億円)に達する見通しだと述べました。そして、2027年度の国防関連予算はGDP比でも引き続き3%を超える水準となり、台湾が自らの防衛力を強化する決意を示すものだと強調しました。
頼・総統は三つ目として、「スマート国家2.0」を構築し、中小・零細企業の転換・高度化を推進すると説明。2027年度の科学技術発展計画の予算は2,292億台湾元(約1兆1500億円)に上り、今年度より12.7%増加する。このうち「AI新十大建設プロジェクト」には406億台湾元(約2,030億円)を計上し、テクノロジー分野における研究開発、計算能力、人材、重要技術への投資を継続して、台湾の技術的優位性を強化する。同時に、政府は法改正に着手し、今後8年間で1,000億台湾元(約5,000億円)を追加投入する方針だ。幅広い企業が利用できる金融支援や投資税額控除の拡充、AI計算能力の利用支援などを通じて、中小・零細企業の転換・高度化を後押ししていくと述べました。
頼・総統は四つ目として、公共インフラ整備を加速し、「均衡ある台湾(地域間のバランスの取れた発展)」の実現を目指していくと説明。2027年度の公共インフラ関連予算は総額7,288億台湾元(約3兆6500億円)に上り、そのうち「均衡ある台湾」プロジェクトには1,472億台湾元(約7400億円)を計上する。これにより、治水から水の安定供給、国土の強靭性強化まで、公共インフラ整備を加速させるとしています。
頼・総統は五つ目として、地方への支援を拡大していくと説明。2027年度、中央政府から地方自治体への財源支援は、統一配分税、一般補助金、計画型補助金を合わせて1兆3,579億台湾元(約6兆8000億円)に達し、今年度より1,929億台湾元(約9700億円)増加する。これにより、中央政府と地方自治体が連携して取り組み、地方自治体がインフラ整備や住民の生活支援に取り組むための力をさらに高めることを期待していると述べました。
頼・総統は最後に、政府の歳出規模がこの10年間で倍増したことは、まさに台湾の国力が倍増したことを示していると強調。そのうえで、行政チームに対し、予定どおり総予算案の編成作業を完了するよう指示するとともに、立法院が2027年度の総予算案を予定どおり審議することに期待を寄せました。
(編集:豊田楓蓮/許芳瑋/本村大資)