頼清徳・総統は18日、オンラインメディアが主催する「2026 台湾持続可能な炭素クレジットESGフォーラム」に出席し、「台湾はすでに炭素排出を価格化する新時代に入った」と指摘しました。頼・総統は、炭素管理能力は企業が環境責任を果たすうえでの一環であり、さらには企業が国際的な受注を獲得し、世界の資本を呼び込めるかどうかを決定する重要な競争力でもあると述べ、政府はデジタルとグリーンの「ツイントランスフォーメーション(DXとGX)」を着実に推進し、エネルギーの強靭性を強化していく姿勢を示しました。また、カーボンプライシング(炭素価格化)の目的は、企業の炭素排出削減を促すインセンティブとして導入するものであり、負担を増やすためのものではないと語りました。
頼・総統は、台湾はまさにエネルギー、人工知能(AI)、省エネ・炭素排出削減の重要な転換点に立っていると指摘。「パリ協定」に呼応し「2050年ネットゼロ転換」を実現するため、政府はすでに「台湾全体の炭素排出削減行動計画」を完成させ、2035年までに2005年比で38%±2%の削減を行うとの目標を打ち出している。また、カーボンプライシングの導入に伴い、台湾はすでに正式に炭素排出を価格化する新時代に入った。ネットゼロ時代において、炭素管理能力は、企業が環境責任を果たす一環であるだけでなく、国際的な受注や世界の資本を呼び込めるかどうかを左右する重要な競争力となっていると述べました。
頼・総統はそして、カーボンプライシングやエネルギー問題に対する関心が高まる中、政府として3つの明確な方針を掲げていると強調しました。
まず第一に、デジタルとグリーンの「ツイントランスフォーメーション」を推進し続け、エネルギーの強靭性を強化することであるとの考えを示しました。
そして第二に、カーボンプライシングを炭素排出削減に向けたインセンティブと位置づけ、産業の発展を後押しすることを挙げました。同制度について、今年5月にすでに初回の申告と納付が行われたことに触れ、政府がカーボンプライシングを推進する目的は、企業の負担を増やすためのものではなく、企業が自主的に炭素排出削減を進めるよう導き、競争力向上の後押しをすることにあると強調しています。
頼・総統は、「企業が自主的な炭素排出削減計画を提出し、実際に実行しさえすれば、政府は優遇料率を提供する。同時に、カーボンプライシングの収入はすべて温室効果ガス管理基金に組み入れて特定財源とし、産業のグリーントランスフォーメーションや技術革新などの支援に充てることで、炭素排出削減の圧力を産業の引き上げを後押しする力へと転化できるよう、ともに取り組んでいく」と述べました。
そして第三に、資金の投入を継続し、企業の技術革新と転換を後押しすることだとし、企業の炭素排出削減や技術革新に伴う負担を軽減するため、政府は100億台湾元(日本円約500億円)規模の「グリーン成長基金」を設立したと説明。民間資金の共同投入を促し、蓄電池、省エネ、低炭素技術などの重要分野に投資を集中させることで、産業のイノベーションをけん引し、より多くのグリーン雇用の創出につなげたい考えを示しました。
頼・総統は、政府は8年間にわたり、1000億元(約5000億円)規模の「中小・零細企業アップグレード転換発展基金」を設立すると強調。従来の年間100億元(約500億円)余りの予算と合わせ、今後は毎年250億元(約1250億円)規模の予算を投入し、中小・零細企業のデジタル化やネットゼロ転換を支援すると説明。さらに、政府は「中小・零細企業の転換アップグレード発展条例草案」の策定を進めており、企業を一人で戦わせることなく、転換の道のりでも置き去りにしないとの考えを示しました。
頼・総統は、ネットゼロトランスフォーメーションは時代を超えた持続可能な取り組みであり、世界のサプライチェーン全体でネットゼロに向けた動きが加速する中、台湾はより先を見据えて準備を進める必要があると述べました。そして、炭素排出削減を単に企業が向き合わなければならない課題にとどめるのではなく、産業の向上や技術革新のきっかけとすることで、台湾の国際競争力を引き続き高めていくことができると強調しました。
(編集:中野理絵/呂学臨/本村大資)