台湾国際放送の運営母体である中央放送局(Rti)の7日の報道によりますと、文化部(日本の文科省に類似)の李遠‧部長(大臣)は6日、イギリスとフランス訪問の日程を開始し、最初の訪問先となるイギリス‧ロンドンに到着しました。台湾の文化部長がイギリスを正式に訪問するのは今回が初めてだということです。台湾の作家・楊双子氏の小説「台湾漫遊録(日本語版:台湾漫遊鉄道のふたり)」の英語版「Taiwan Travelogue」が、世界的に権威があるイギリスの文学賞「ブッカー賞」の翻訳書を対象にした「国際ブッカー賞」を受賞したことを受け、李・部長は、この機会に高まっている台湾への関心を発展させ、文学からさらに漫画、絵本、文化テクノロジー、そして舞台芸術へと協力の分野を広げていきたいとしています。また、ロンドンの複合文化施設であるバービカン・センター(Barbican Centre)や、子供や青少年を対象とした博物館ヤングV&A)も訪れ、台湾北部・新北市で建設が予定されている国家レベルの児童文化施設「国家児童未来館」の整備に向けてイギリスの取り組みを学ぶ予定だということです。
李‧部長は昨年(2025年)にフランスとチェコを訪問したのに続き、今年(2026年)二度目のヨーロッパ訪問に赴き、今回、イギリスとフランスを訪れます。李‧部長は、今回、イギリスを最初の訪問先に選んだ主な理由に、楊双子氏が執筆し、金翎(Lin King)氏が英訳した小説「台湾漫遊録」がイギリスの国際ブッカー賞を受賞し、台湾文学がイギリスでより注目を集めていることを挙げました。
李‧部長は、イギリスではこれまで台湾文学への認知度が比較的限られていたと指摘し、今回の受賞をきっかけに高まった関心をさらに発展させ、交流の分野を文学出版からさらに絵本、マンガ、文化テクノロジー、舞台芸術などへと広げていきたいとしています。
李・部長は今回のイギリス訪問について、「欲張りな旅」と表現し、さまざまな分野で、継続的に協力できるパートナーを見つけたいと話しました。
李・部長は、「今回イギリスに来たのは、私が欲張りだからだ。舞台芸術、子ども博物館、それに文学や出版まで、イギリスにはそれぞれ対応する機関があるため、この一度の訪問の中で、将来も協力を続けていける仕組みをまるごと築き上げられないか、探ってみたいと思っている」と話しました。
李・部長の今回のイギリス訪問でもう一つの重要な目的として、ヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum, V&A)の分館である「ヤングV&A」の視察があります。同博物館は、かつては「子ども時代」をテーマとしていましたが、改修後は0歳から14歳の子どもを主体とした施設へと生まれ変わりました。同博物館は長年にわたって約2万2千人の子どもと交流し、子どものニーズを展示の企画や空間設計に取り入れているということです。
文化部が「国家児童未来館」の整備を進めていることから、李・部長は、「ヤングV&A」における子どもたちの参加の取り組みについても特に関心を示し、今後の計画の参考にしたいとしています。また、「将来、未来館を訪れる子どもたちが、社会とどう関わり、社会をどう理解し、その中で自分の創造力をどう発揮していくのかを学べるようにしたい。単に科学館などを訪れて、展示を見たり、知識を紹介してもらったりするような施設を想定しているわけではなく、そうしたことを学べる場所にしたい」と説明しました。
李・部長のイギリス訪問は5日間ほどを予定しており、その後フランスへ向かい、第30回台仏文化賞の審査委員会と第29回授賞式に出席するほか、映画などの文化交流を行うということです。李・部長は今回のヨーロッパ訪問を通じて、台湾の文学、漫画、絵本、文化テクノロジーをさらに紹介するとともに、ヨーロッパの作家やキュレーター、文化芸術機関を台湾に招いて交流や共同制作を行い、より長期的な台湾・ヨーロッパの文化協力ネットワークを築きたいとしています。
(編集:許芳瑋/豊田楓蓮/本村大資)