中国で出入国に関する新たな規定が15日から正式に施行されます。民間団体の中華亜太菁英交流協会(アジア太平洋地域エリート交流会)は14日、関連するリスクと影響について座談会を開きました。専門家は会議で、「新たな規定により、台湾の人々が中国に出入国する際のリスクは大幅に高まり、携帯電話やパソコンも検査を受ける恐れがある」と警告。台湾の対中国政策を担う大陸委員会(陸委会)の沈有忠・副主任委員も、「最近、中国に渡航して連絡が取れなくなる人が異常に増えており、新規定の施行後は『入れるが出られない』という状況がさらに増える可能性がある」と指摘しました。
中国国務院は7月31日、「出入国管理に関する国務院規定」を公布し、9月15日から正式に施行されることになりました。新たな規定では、行政上の権限付与と執行面で三つの大きな変更が盛り込まれており、具体的には「出国を制限できる対象の拡大」、「秘密裏の出入国を制限する措置への権限付与」、そして「電子機器およびデジタルデータの検査」が盛り込まれているということです。
中国側は、新たな規定は国家の安全を守り、国境管理の体制を整えるためのものであり、「正常な交流を行う者が心配する必要はない」と主張しています。しかし、関連する法律の定義が曖昧なうえ、法執行にあたる職員に極めて大きな行政裁量権を与えていることから、中国を訪れる台湾の人々の安全上のリスクが高まる恐れが指摘されています。
これを受け、中華亜太菁英交流協会は14日午前、北部・台北で「進得去、出得來?中共入境新規定的風險與影響(入国できても、出国できるのか?中国への入国に関する新規定のリスクと影響)」と題した座談会を開きました。同協会の王智盛‧理事長は、新たな規定では管理の対象範囲を産業や技術の安全保障、輸出管理といった分野にまで拡大している。そのため、関連する技術情報を扱うテクノロジー業界の従事者や台湾企業が中国共産党による監視・取り締まりの対象となる恐れがあると指摘しました。
王‧理事長はまた、新たな規定によって「電子機器とデジタルデータ」が出入国時の検査対象に加えられたことにも言及。これは、携帯電話やパソコン、SNS上のデータについても、中国側が疑わしいと判断すれば検査できることを意味しており、台湾の人々は十分に注意する必要があると述べました。
座談会に出席した大陸委員会の沈・副主任委員は、現在、中国に渡航して連絡が取れなくなる人が異常に増えている状況にある。政府はすでに、テクノロジー分野の従事者、公務員、宗教関係者、台湾企業の幹部、そして特定の政治的な発言をしたことがある人の5つのグループに対し、注意を呼びかけていると説明しました。
沈・副主任委員は、「この出入国管理に関する新たな規定は、今後、台湾の人々により深刻なリスクをさらに多くもたらす可能性があると考えている。出入国の際に取り調べを受けたり、さらには『入国できても、出国できない』という事態、あるいは入国しようとしてもできないという事態が、今後増えていく可能性がある」と話しました。
(編集:許芳瑋/豊田楓蓮/本村大資)