頼清徳・総統が会長を兼務する「中華文化総会」は2017年から、10月10日の中華民国の建国記念日、双十国慶節に合わせて、台湾北部・台北市の総統府を舞台にプロジェクションマッピングを開催しており、今年で10年目を迎えます。
今年(2026年)は台湾で総統の直接選挙が始まって30周年に当たることから、「民主的台灣,世界的心跳(民主主義の台湾、世界の鼓動)」をテーマに、光と映像を通じて台湾の民主化の歩みを表現します。また、今回のプロジェクションマッピングのテーマに合わせ、中華文化総会は11種類の「民主主義台湾記念バッジ」を特別に製作。これまで世代を超えて受け継がれてきた民主化運動を記念するとともに、今日の自由が決して当たり前のものではないことを改めて認識し、大切にしてほしいと呼びかけます。
総統府は10月2日、「2026双十国慶節総統府プロジェクションマッピングショー」に関する記者会見を開き、デザインチームが今年の演出コンセプトや見どころを紹介しました。総統府の潘孟安・秘書長は、総統府はかつて権力が集中する象徴だったが、総統の直接選挙が行われるようになって以降、徐々に外部へ公開され、市民がともに参加できる場へと変化してきたと説明。今年は、文化や映像、クリエーティブ、アニメーションを組み合わせた双十国慶節のプロジェクションマッピングショーを通じて、台湾の30年にわたる民主化の歩みを振り返ると述べました。
潘・秘書長は、「映像や文化、アニメーションの創作を通して、これこそが台湾の30年の近代史そのものだと私は思う。我々は過去を振り返り、台湾の近代における民主化の歩みをたどるだけでなく、次の30年、そしてその先の長い未来にわたって、台湾の民主主義が世代から世代へと受け継がれ、持続していくことを願っている」と述べています。
中華文化総会の李厚慶・秘書長は、双十国慶節に総統府で行われるプロジェクションマッピングはこれまでに300回以上上演され、延べ60万人を超える観客を魅了してきた。また、海外から訪れた人々に、さまざまな表情を持つ台湾を知ってもらう機会にもなっていると説明。今年は、8回連続で芸術監督を務めるアーティストの陳怡潔氏が指揮を執り、音楽監督の余佳倫氏、ナレーション・脚本を担当する王靖惇氏、映像編集ディレクターを担当する林雍益氏らがチームに加わると明かしました。さらに、「一把青」「聴海勇」「流麻溝十五号」など、台湾の歴史を題材にした数々の作品に出演してきた女優の連俞涵氏が、ナレーションを担当すると発表しました。
芸術監督を務める陳怡潔氏は、今年は台湾の民主化を40年以上にわたって記録してきた映像記録者の邱萬興氏をアドバイザーに迎え、貴重な歴史映像を築100年を超える総統府の建物に投影する。また、制作チームは台北市の東門国小(=小学校)と南門国小でワークショップを開催し、子どもたちが描いた台湾中部に位置する台湾最高峰「玉山」の風景画を600点以上集めたと説明。陳氏によりますと、これは1996年に台湾で初めて総統の直接選挙が行われて以来、これまでの累計投票数が1億票を超え、その票を積み重ねると、玉山およそ3つ分の高さになることを象徴しているということです。陳氏はそして、民主主義こそが台湾が最も誇りとする「山を築く営み」だと表現しました。
中華文化総会によりますと、今年の総統府プロジェクションマッピングショーは10月7日から10日まで、総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道で開催されます。時間は、毎晩午後7時から9時30分まで、30分おきに上演されます。7日は点灯式に合わせ、午後7時30分から開始するということです。
(編集:豊田楓蓮/中野理絵/本村大資)