台湾がアメリカから購入した「F-16V(ブロック70)」型戦闘機の第1陣となる2機が10月2日、台湾に到着しました。頼清徳・総統は同日、フェイスブックに中華民国空軍の将兵およびこの任務に携わった台湾・アメリカ双方の関係者全員に感謝の意を表しました。また、アメリカ政府に対し、台湾の自衛能力の向上に対する長年の支援と、双方の安全保障協力の継続な深化に対しても謝意を示しました。
頼・総統は、中国軍機による台湾海峡周辺への度重なる侵入に直面する中、空軍の将兵たちは昼夜を問わず持ち場を守り、過酷な戦備任務を担っている。政府は国軍の装備を充実させ、将兵が国家を守る使命を果たせるよう支援する責任があるとし、この新型戦闘機は先進的なレーダーやアビオニクス(航空電子機器)を供えており、脅威の探知能力や空域の状況把握能力を向上させることができると説明。既存のF-16戦闘機部隊が蓄積してきた訓練や整備の経験を活かし、より完全な防空戦力を段階的に構築していく意向を示しました。
頼・総統はまた、政府として今後も引き続き納入状況を継続的に把握し、受け入れのための整備と訓練を着実に進め、国民の国防への投資を国を守る確かな力に繋げていくとしました。頼・総統はさらに、「国防への投資は、平和への投資である」と強調し、国民に対し、国軍を支持し台湾の民主主義と自由を共に守るよう呼びかけました。
一方、国防部(防衛省)の顧立雄・部長(大臣)は2日、立法院(国会)でのインタビューの際、年内に引き渡されるのはこの2機だけではないと述べ、引き渡し時期については改めてアメリカ側と調整を行っていく予定であると明かしました。
なお、メディアの報道によりますと、今回納入された2機の新型機について、電子戦システムがまだ微調整の段階にあるため、当面は「バラスト(重量調整用の重り)」で代用しているとしています。これについて顧・部長は、それは憶測にすぎないと否定。製造元がすでにソフトウェアおよびハードウェアの関連試験を進めており、新型機の新たな構成との統合が必要ではあるものの、現在はすべて定められた工程に沿って予定通り進んでおり、電子戦システムは間もなく完成する見込みであると説明しました。
このほか、イギリスのロンドンに本社を置く「ロイター通信」は10月1日、アメリカの政府関係者が「2028年までに中国が台湾に侵攻する可能性は低くなった」と分析する一方、与党・民進党政権が続けば、武力行使のリスクが高まる可能性があると報じました。
これについて顧・部長は、中国が武力によって台湾を併呑しようとする意図はこれまで一度も変わっておらず、台湾の政権が異なっても台湾併呑を断念することはない。国民はこの点を認識すべきであると述べました。その上で、国防部と国軍も関連する兆候や中国軍の動向を踏まえ、あらゆる事態に対処できるよう、高度な即応体制を整えていく方針を示しました。
(編集:中野理絵/豊田楓蓮/本村大資)