台湾南部・屏東で、鉄道文化の新たなランドマークが誕生します。屏東県にある在来線・台湾鉄道の竹田駅のそばに位置する「竹田頓物驛(たけだとんぶつえき)」が、3月21日にオープンします。
「竹田頓物驛」は、日本統治時代の1919年に「頓物停車場」として開業した、歴史ある貨物・旅客駅です。「頓物」は台湾の二番目に大きいエスニックグループ、客家人の言葉、客家語で「物を貯めておく(集散地)」を意味し、米や農作物の輸送拠点だったことに由来します。1920年に「竹田駅」と改称。現在は木造の旧駅舎が保存、観光地化されています。
県は台湾鉄道の旧倉庫一と二を再活用し、多機能展示スペースや客家風レストラン、バックパッカー向け宿泊施設、さらに日本式の畳の一棟貸しヴィラなどを備えた複合施設として整備しました。ゆったりとした時間が流れる「スローシティ」に、新たな魅力を加えます。
県の客家事務処によりますと、竹田に残る鉄道の歴史や木造建築の風情を受け継ぐため、古い倉庫を活用して新たな価値を生み出したということです。1号倉庫の1階には講演会や展示会、中規模の公演が可能な多目的スペースを設け、地元の特産品ブランドや独立系書店も入居します。「竹田のリビング」として、訪れた人が地域文化に触れられる場となります。
また、1号倉庫の2階には60席のレストランを設置。プロの料理チームが手がける「客家風・和風セット料理」を提供し、客家伝統の角煮料理や、塩サバのレモン焼き、ミルク風味の客家豚料理など、地元の食材を生かしたメニューが楽しめます。さらに、「竹田鉄道弁当」も販売され、列車の到着音を聞きながら現地(六堆地域)の味覚を味わう、ゆったりとした食体験を演出します。
一方、2号倉庫には40床のバックパッカー向け宿泊施設を整備。カプセル型と畳スペースを組み合わせた設計で、個別のバスルームや交流スペースも備えています。自転車旅行者や若い世代の利用を見込み、周辺観光の活性化にもつなげたいとしています。
中でも注目されるのが、木造建築を改修した「日本式畳ヴィラ」です。専用の庭と独立した浴室を備え、緑と鉄道風景に包まれた空間で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。光と影の移ろいを感じながら、鉄道とともにあるスローな旅を体験できます。
このほか、倉庫エリアの駅出口側では週末にクラフトマーケットも開催予定です。地元の農産品や手作りブランド、こだわりの商品が並ぶほか、小規模なパフォーマンスやDIY体験も行われ、「ゆっくり巡り、ゆっくり味わい、ゆっくり体験する」観光スタイルを提案します。
竹田頓物驛
住所:屏東県竹田郷履豊村豊明路31号
営業時間:毎日午前10時から午後5時まで
(編集:王淑卿)