今日、4月1日はエイプリルフールです。エイプリルフールは日本のみならず世界各地で過ごされ、人々に対し害のない冗談やいたずらを仕掛けることが一日だけ許される日とされています。
台湾でもこの風習を過ごします。エイプリルフールは台湾華語で「愚人節」と書きます。
エイプリルフールの起源は古く、いつ、どこで始まった習慣なのかはわかっていませんが、最も広く受け入れられている説の一つが「16世紀のフランスから始まった」という説です。その由来はこうです。「16世紀より前のフランスでは新年を迎える日を4月1日としていました。ところが、1564年にフランス国王シャルル9世によって、1月1日を新年とするグレゴリオ暦が採用されたことにより、新年は1月1日に変更されました。しかし当時は通信手段が発達しておらず、さらに改革に反対する保守的な人々もいたため、多くの民衆に新しい制度が十分に広まりませんでした。そのうえ、一部の人々は変化を受け入れようとせず、従来どおり4月1日に新年を祝っていました。結局、そういった「1月1日を新年とする」ことを受け入れられない人に対し、人々が4月1日に冗談で「嘘の新年のプレゼント」を送り、時代遅れであることをからかったり、いたずらをしたりするようになりました。これが次第に広まり、4月1日は「人にイタズラをする日」=エイプリルフールとして定着したとされています。
エイプリルフールは、フランス語で「ポワッソンダヴリル」(Poisson d'avril)と言い、意味は「四月の魚」です。この日のフランスでは、魚の形をしたお菓子がお店に並びます。また、子どもたちは魚の形に切り抜いた紙を、こっそり他の人の背中に貼るいたずらを楽しむそうです。なぜ「魚」なのかというと、キリスト教信者にとってこの期間は肉を避ける節制期間にあたるため、魚が「新年の贈り物」として選ばれることが一般的でした。「4月に魚を贈る」という風習は時代とともに変化し、やがて小さな紙で作った魚を相手の背中に貼るという、現在の伝統へと発展したのです。
では台湾でいつ頃エイプリルフールを過ごすようになったかというと、明確な歴史的記録は存在しないものの、西洋文化の流入や国際化に伴い、20世紀後半にかけて徐々に台湾社会へと浸透していったとされています。そして現在では、日本と同様、企業同士の「アイデア対決」の場ともなっています。思わず人々がクスッと笑ってしまうようなアイデアだけでなく、実際に財布のひもが緩んでしまうような企画も少なくありません。
ということで、台湾でこれまでに話題となった、企業による「エイプリルフール限定企画」を3つご紹介します!
一つ目は、現在、台湾全土に900店舗以上を展開し、台湾で最も店舗数が多いことで知られるドリンクスタンドブランド「清心福全」によるユニークな取り組みで、2024年に「透明なタピオカミルクティー」を発売しました。これは「黒いタピオカ」に「水、砂糖、氷」だけというシンプルな組み合わせで見た目は「地味」なのですが、「意外とおいしい!」という声が上がり話題となりました。そして昨年はさらにユニークな一杯として「飲んで初めてわかる秘密」をコンセプトにした飲み物を発売。見た目はビールのような黄金色(いろ)なのですが、実際には甘くジューシーな白桃の果肉ともちもちのタピオカ、そして炭酸水を組み合わせた爽快な味わいを楽しめるソフトドリンクとなっており、視覚と味覚のギャップを楽しめる一杯に。こちらも「美味しい」との声が聞かれ話題になりました。宣伝用ポスターは、ビールのポスターのようなデザインで作られ、ここからも遊び心が感じられます。
二つ目の「エイプリルフール限定企画」は、手頃な価格で新鮮なお寿司を提供する台湾最大手の回転寿司チェーン「争鮮(Sushi Express)」。争鮮は1996年に台湾で創業を始めた後、海外にも店舗を展開し、上海、北京、香港、シンガポール、タイに直営店を順次開設。現在は台湾に297店舗、中国に201店舗などアジア地域全体で合計665店舗の直営店を運営しているグローバルな回転寿司屋さんです。
そんな争鮮は毎年エイプリルフールの日に、「ご飯の中にサプライズ」と題した限定弁当を発売しています。一見すると、ご飯が入っただけのお弁当にしか見えず、思わず「え?」と戸惑ってしまいますが、実はご飯の下には海鮮やお肉を使った天ぷらなどの具材が隠されています。さらにランダムで「隠しフレーバー」も用意され、どんな味を楽しめるかは開けてからのお楽しみです。しかも抽選ステッカー付きで、剥がすと「もう一品無料」やスイーツのミニセット、オンライン会員向け割引券などが当たるチャンスがあり、このサプライズに、毎年、エイプリルフールを待ち望むファンも少なくありません。
3つ目は世界最大のピザチェーン「ピザハット」。1984年に台北市に台湾第1店舗目をオープンしてから現在までで台湾全土に300店舗近くを展開。実は2019年以降、エイプリルフールに関わらず次々とユニークなフレーバーのピザを発売しており、その度に話題となっています。例えばこれまでに登場したラインナップには、
ドリアンピザ
ラーメンピザ
京都宇治金時ピザ
臭豆腐ピザ
タピオカミルクティーピザ
ルーロー飯ピザ
麻辣火鍋ピザ
などなど。多彩かつ挑戦的な味が揃い、台湾人の味覚に刺激を与え続けています。
2023年のエイプリルフールには、蛇の顔を先頭に丸まった蛇の形をし、味は麻辣風味という従来のピザのイメージを打ち破るピザを発売。しかも名前は「辣個圈圈芝心蛇圈圈」という、一度聞いたら忘れられず、思わず「一体どんなピザ?」と気になってしまいます。
そして昨年、「いたずらピザ」として台湾文化と遊び心を融合させた「チーズ入りヘビ&カメピザ(芝心蛇進草仔龜比薩)」を発売。「春のお盆」にあたる毎年4月4日前後の清明節に合わせ、台湾で神々や先祖をまつる際に用いられる伝統的な草餅「草仔粿」をカメ型ピザにアレンジ。甲羅部分には蛇の形をしモッツァレラチーズが入ったパイ生地が上に載っかっています。
ということで、台湾ならではのクスッと笑えるエイプリルフール限定企画をご紹介しました。
皆さんは今日、何か楽しい冗談に触れることはできたでしょうか?