今回は、台湾南部・台南市と日本の石川県金沢市の交流についてお伝えします。
金沢市の村山卓市長は今月7日、台南市を訪れ、互いに観光や文化交流を進める合意書を締結。これにより金沢市は台南市にとって63番目の国際友好都市となりました。この合意書は村山市長と台南市の黄偉哲・市長が署名したのですが、石川県出身で日本の国土交通省副大臣の佐々木紀衆議院議員もビデオメッセージで祝意を示し、二つの市の関係が新たな段階へ進むことへの期待を示しました。

台南市の黄偉哲・市長(左)と金沢市の村山卓市長(右)は7日、互いに観光や文化交流を進める合意書を締結した。(写真:台南市)
実はこの二つの市の交流がスタートするきっかけとなった日本人がいます。それは、台南市にあり、日本統治時代の1930年に完成したアジア最大級のダム「烏山頭ダム」を10年かけて建設した日本人技師、八田與一です。八田技師は烏山頭ダム建設後、その一帯の嘉南平野を台湾一の穀倉地帯に変えたほか、かんがい施設も南部に完成させ、台湾における農業の発展に力を尽くしたとして高く評価されています。八田技師は現在の石川県金沢市出身なのですが、村山市長によると、2011年に八田與一記念園区が烏山頭ダムの近くに完成して以降毎年現地で開催されている八田技師の追悼行事に、金沢市が参加し始めたことをきっかけに台南市と交流が始まり、観光や議会、民間団体など幅広い分野で関係が発展してきたということです。さらに、コロナ禍や自然災害の際にも互いに支え合ってきたことで関係が一層強固になったと振り返りました。
黄・台南市長も、金沢市が毎年追悼行事に参加するというこの継続的な交流は両市の絆を象徴していると述べました。
そして八田技師の命日である5月8日に今年も追悼行事(没後84年慰霊祭)が行われ、生誕140周年にあたる今回は、金沢市の村山市長のほか、台南市長時代から欠かさず16年連続の出席となった頼清徳・総統や、台南市の黄偉哲・市長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の隅修三会長、八田技師のお孫さん、安倍晋三元首相の妻、昭恵さんなど、台湾と日本の関係者、700人余りが参列、過去最多の参列者となりました。頼・総統は挨拶の中で、「烏山頭ダムの水が、農業だけでなくTSMCなど半導体工場でも使われ、今も台湾の農業、工業、科学技術発展を支えている」と述べ功績を讃えたほか、台湾に貴重な遺産を残した八田技師にあらためて感謝の意を表しました。