今日は2つの話題をお伝えします。
一つ目は、台湾北東部の宜蘭県にある県立の総合博物館「蘭陽博物館」について。「蘭陽博物館」は1989年に地元の人により建設構想が持ち上がってから実に21年が経った2010年に開館した、「宜蘭」をテーマに現地の豊かな自然、歴史、文化を伝える博物館です。場所は、かつて清の時代に砲台、軍の施設などが設けられ、宜蘭地域における重要かつ最大の港として機能していたほか、多くの商人や船舶が往来し対外貿易が盛んだった烏石(うせき。うは烏合の衆のう)港に隣接。そのため蘭陽博物館周辺は、かつて宜蘭と外の世界が交流する拠点となっていた烏石港エリアと一体化した美しい景観が広がっています。
そんな「蘭陽博物館」は、先月15日に、台湾の文化政策及び伝統文化の発展に関する行政を担当する行政機関「文化部(日本の文科省に類似)」から認証を授与され、台湾で初めて国レベルの認証を受けた県立博物館となりました。文化部による博物館認証は「博物館の専門性」、「運営の実績」、「社会への貢献」を評価する国内の重要な指標で、今回の認証により、宜蘭における博物館専門分野の発展が国から認められたことになります。
台湾全体で文化部による認証を受けている施設は、国立故宮博物院、国立台湾史前文化博物館、国立台湾博物館、国立自然科学博物館、新北市立陶磁器博物館、そして今回認証された蘭陽博物館の6館に限られているということです。
宜蘭県は今後の方針として、博物館の専門性のさらなる強化、デジタルアーカイブの推進、分野横断的な連携などを進めることで、博物館の社会的影響力を高め、地域文化発展の中核的な推進力とする考えを示しています。さらに、多様な展示や文化体験を通じてより多くの来館者を呼び込み、宜蘭文化の深い魅力を伝えることで、地方の博物館が現代社会において持つ多元的な価値と影響力を広く発信していくとしています。
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二つ目の話題です。
昨年5月、新北市三峡区で78歳の男性運転者が高速で車を暴走させ、4人が死亡、11人が負傷する事故が発生したことを受け、交通部(日本の国土交通省に類似)は今年5月1日から高齢者の運転免許証の更新に関する新制度を施行。以前は一度運転免許証を取得してしまえば75歳になるまで更新が不要で、75歳以上は3年ごとに更新が必要とされていましたが、新制度では70歳以上は更新が必要となるだけでなく、健康診断と安全講習を受けることで免許証を更新することができると定められました。70歳以上で更新した後の有効期限は75歳までとなります。75歳以降の更新は、3年ごとの更新となり、健康診断と安全講習に加え、認知機能検査に合格することも新たに求められています。
交通部の統計によれば、台湾では現在、70歳から74歳までの高齢者ドライバーが110万人、75歳以上は約19万人います。今年5月からの新制度の施行に伴い、今年、70歳以上のドライバー約130万人が免許証更新の対象となります。また、65歳以上が起こした交通事故による死傷者数は毎年増加しており、現在は年間で約1,200人以上が死亡し、約7万4,000人近くが負傷、交通事故による全体の死者数の約4割を高齢者ドライバーによる事故が占めています。
交通部の陳世凱・部長(大臣)は、世論調査で8割以上が高齢者の運転免許証の更新に関する新制度を支持していることを明かした一方、台湾は65歳以上が総人口の20%以上を占める超高齢社会に突入しており、誰もが年を取り、移動の必要があることを指摘し、「この新制度は高齢者の運転を禁止するものではない」と強調しています。
そして交通部は、新たに、3年以上の運転免許取り消し処分を受けた者が再取得する場合、今月30日以降は事前に教習所での講習を修了することを義務付けると発表しました。違反して運転した場合は無免許運転とみなされ、バイクの場合、最高3万6000元(約18万1000円)、車は最高6万元(約30万円)の罰金が科されるということです。3年以上の運転免許取り消し処分を受けるケースというのは、例えば飲酒運転、薬物使用運転、歩行者優先違反、貨物の不適切積載、タイヤ脱輪などの車両整備不良、割り込み・車線争い、救急車や消防車への進路妨害など、重大な違法行為を行ったことで人身事故(負傷・重傷・死亡)を引き起こした場合を指します。事故の程度に応じて免許取消期間は3年、6年、8年、10年、12年とされています。
交通部によると、免許を3年以上取り消された場合、従来は処分期間終了後にそのまま再試験を受けることができていましたが、新制度では6月30日以降、再取得の前に教習所で最新の交通知識を学ぶ必要があるとしています。統計によると、免許が取り消され3年以上の再取得が禁止の対象者は、毎年バイク・自動車それぞれ約5,000人に上ります。
台湾で2025年に発生した交通事故による死亡者数は2,858人に達し、前年度より92人減少したものの、減少率はわずか3.1%にとどまっており、政府は「2030年までに交通事故死亡者数を50%減らす」という目標には、依然として大きな隔たりがあるとしています。海外メディアから「歩行者地獄」などと批判されることもある台湾の交通環境、今回の新たな取り組みが少しでも改善に繋がるのか、注目が集まっています。